【独自】太陽光発電所のケーブル、近畿各地で窃盗か 兵庫県警が25歳男逮捕 122件3500万円相当の被害確認

全国で金属盗被害が相次ぐ中、兵庫県など近畿地方の太陽光発電所で電線ケーブルを狙い盗みを繰り返したとして、県警捜査3課と相生署は26日までに、窃盗の疑いで、住所不定、無職の男(25)=窃盗罪で公判中=を逮捕した。昨年1~11月、播磨地域を中心に兵庫や京都、奈良などで、起訴済みの17件を含む122件計約3500万円相当の被害を確認したという。捜査関係者への取材で分かった。 起訴状によると、昨年10月2日午後1~2時ごろ、兵庫県上郡町尾長谷の太陽光発電所7カ所で、電線ケーブル21本(時価約45万5千円相当)を切断して盗むなどしたとされる。容疑を認めているという。 公判や捜査関係者によると、男は車上生活を送りながら、スマートフォンの地図アプリの航空写真で太陽光発電所の場所を確認。カッターで切断した電線ケーブルを、金属くず買い取り業者へ車で持ち込み現金化していた。男は太陽光発電施設の元作業員で、設備の仕組みなどの知識があったとみられ、発電量の減少などから管理者が被害に気付いた。 金属盗の被害は全国で増加しており、県内では2024年の被害認知件数が4年前の5倍に迫る。中でも、山間部に多く人目に付きにくい太陽光発電所を狙った被害が約2割を占める。 資源エネルギー庁の統計では、県内の太陽光発電所は24年10月時点で178カ所に上り、近年は年10カ所以上のペースで増えている。被害拡大は再生可能エネルギーの普及に水を差す可能性もあり、県警は電線ケーブルを地中に埋めたり、人感センサーを設置したりするなど対策を呼びかけている。

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