カンボジア拠点投資詐欺、組織的犯行 中国人がメッセージ作成、日本人が修正 佐賀地裁で被告4人の初公判

カンボジアを拠点とするSNS(交流サイト)を悪用した投資詐欺の事件で、詐欺罪に問われた千葉県や神奈川県などに住む30〜50代の男性被告4人の初公判が26日、佐賀地裁であった。検察側は、同国のホテルで60人以上の中国人がパソコンやスマートフォンを使って組織的に詐欺が行われていたことを明らかにした。 検察側は公判で、「オフィス」と呼ばれていたホテルのフロアの映像をモニターに映した。デスクとパソコンが並び、大量のスマートフォンがケーブルにつながれていた。冒頭陳述によると、フロアには犯罪組織の構成員らしい身なりの人もいて、被告4人は中国人が作成した投資に関する日本語のメッセージを自然な日本語に修正する作業を担っていた。メッセージは中国人が日本人に向けて送り、やりとりをしていた。 カンボジアに滞在中に中国人風の人物から誘われたり、知人の中国人から仕事があると言われて渡航したりしていた被告もいた。2023年5月にカンボジアの警察がホテルに立ち入り、事件が発覚した。佐賀県警がスマートフォンの履歴などから4人の関与を裏付け、昨年11月に逮捕した。 起訴状によると、氏名不詳者と共謀して23年5月、大阪府の50代男性や静岡県の60代男性に対し、SNSを通じてFX(外国為替証拠金取引)での資産運用を勧め、指定した口座に送金させてだまし取ったとしている。初公判で2人は「だまし取ろうという気持ちはなかった」などと起訴内容を否認した。他の2人は、弁護側が詐欺のほう助にとどまると主張した。

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