警察官や検察官をかたるウソの電話で、福岡市の60代の女性が1150万円をだまし取られました。SNSに誘導されて警察官の制服の画像などを見せられ「あなた名義の通帳が見つかり、事件に関わっている可能性がある。あなたのお金を調べる必要がある」と現金の振り込みを指示されたということです。 警察によりますと、2月6日、福岡市東区に住む60代の女性の家に携帯販売会社の社員を名乗る男から「携帯電話料金が未納になっている」と電話がありました。 女性が「身に覚えがない」と答えると「詐欺かもしれない」と言われ、「葛飾警察署」の警察官を名乗る男に電話をかわりました。そして、家の電話で話しながら携帯電話のSNSに誘導され、警察官の制服の画像などを見せられました。 さらに、検察官を名乗る男に電話をかわり「詐欺事件で逮捕した犯人の自宅を捜索した際、あなた名義の通帳があり、事件に関わっている可能性がある。あなたのお金を調べる必要がある」と言われました。 女性は20日から25日の間に指定された口座に6回にわたり合わせて1150万円を振り込み、だまし取られました。 26日になって、担当者を確認しようと、女性が葛飾警察署や東京地方検察庁に問い合わせをして被害に気づきました。女性は同居する家族には相談していなかったということです。 福岡県警によりますと、県内のニセ電話詐欺の被害は、ことしに入ってからの1か月ですでに101件、あわせて3億9000万円にのぼっています。特に警察官をかたる手口が目立つということです。 警察は、警察官が捜査のために送金させることはなく、警察官を名乗る者から電話があったときは、所属、担当部署、氏名、内線番号を確認し、最寄りの警察署に相談してほしいと呼びかけています。