今年1月、自宅で死亡していた男性のアパートに捜査のため訪れた警察官の男が、その後合鍵を使って2度にわたってこの家に侵入し、現金あわせて3002万円を盗んだとして逮捕されました。 窃盗などの疑いで逮捕されたのは、警視庁蒲田署の鑑識係に所属する巡査部長・小林元気容疑者(45)です。 警視庁によりますと、小林容疑者は1月31日、東京・大田区のアパートの一室に侵入して、現金300万円と合鍵1本を盗んだ疑いです。さらに2月4日にも、同じアパートに合鍵を使って侵入して、現金2702万円を盗んだ疑いがもたれています。 このアパートの部屋では、住人の80代の男性が死亡する事案があり、小林容疑者は、捜査のため上司とともに訪れていましたが、その後2度にわたって、業務とは無関係にもかかわらず、1人で部屋を訪れ、窃盗をしていたとみられています。 この男性の死亡については、事件性はなかったということです。 先月23日になって、小林容疑者がみずから上司に「とってしまいました」と話したことから事件が発覚したもので、警視庁は今月1日に小林容疑者を逮捕しました。 部屋から盗んだとみられる3002万円について、警視庁は関係先から押収していて、調べに対し小林容疑者は「間違いありません」と容疑を認めているということです。 職員の逮捕を受けて、警視庁は「言語道断の行為であり極めて遺憾です。関係者に対し心よりおわび申し上げます。捜査を尽くし、厳正に対処します」とコメントしています。