【メソト(タイ北西部)共同】ミャンマー東部に集まる特殊詐欺拠点を巡り、現地を実効支配する少数民族武装勢力が隣国タイとの国境付近で確保した日本人の男(36)をタイに移送する方向で調整していることが分かった。タイから日本に送還される見込み。武装勢力関係者が1日、明らかにした。複数の関係者によると、男には北海道警から窃盗容疑の逮捕状が出ていた。 武装勢力はミャンマー東部ミャワディの施設に男を移し、タイや日本の受け入れ態勢が整うまで滞在させる方針。男は約4カ月前にミャンマー側に入って詐欺に関わっていたとみられ「日本に帰りたくない」と武装勢力に話した。 武装勢力は「国境警備隊(BGF)」で、26日夜に詐欺拠点が集まるミャワディ近郊のシュエココで男を発見した。BGFはミャンマー東部の詐欺拠点にいるとみていた日本人約20人が捜索中に現場から逃走するなどして行方不明だと説明していた。 BGFはこれまで、特殊詐欺拠点の捜索で7千人以上の外国人を保護したが、タイへの外国人移送は停滞している。