大阪府八尾市の集合住宅の一室からコンクリート詰めにされた遺体が見つかり、大阪府警が死体遺棄容疑で逮捕した無職、飯森憲幸容疑者(41)は「十数年前に預かっていた姉の子で、7歳くらいの女児」と説明した。遺体の身長は1メートルほどだったが、7歳女児の平均身長は1メートル20センチほどで、かなり小さかったことになる。自治体などは行方知れずになった子供の所在確認を続けているが、事件に巻き込まれたり虐待を受けたりしていたケースは後を絶たない。誰も女児がいなくなったことに気がつかなかったのか。 令和6年度の学校基本調査によると、義務教育年齢の日本国籍を有する児童生徒のうち、教育委員会が1年以上所在を確認できない「居所不明児童・生徒」は全国で74人。事件や虐待の可能性が指摘される例もあり、文部科学省は全国の教委に対し、「居所不明」とされた後も自治体や児童相談所と連携し、子供の所在確認を進めることを求めている。 こども家庭庁も児童虐待防止対策として、乳幼児健診未受診者や未就園児、不就学児などの状況確認を各自治体へ要請。令和5年度の調査では2万5745人が確認対象となり、このうち3人は状況確認ができなかった。 子供が行方知れずとなり、事件に巻き込まれていたケースは少なくない。平成25年には大阪府富田林市で住民登録上では10歳になる男児が行方不明となっていることが判明。親族らが生後間もなく遺体を河川敷に埋めたと説明したが、遺体は見つからなかった。親族らは不起訴処分となったが、居所不明の子供の問題が改めて浮き彫りとなった。