スカウトの"トクリュウ化"で全国の「特殊浴場」が消滅の危機に!?

目下、警察の取り締まりのターゲットとなっているのが「匿名・流動型犯罪グループ」ことトクリュウだ。SNSや闇バイトなどを介して集まった一部の若者たちが、犯罪グループの指示に従い、強盗や特殊詐欺などの実行犯として加担しているとして、警察が声高に危険性を喧伝している。 こうしたトクリュウの代表格と目されるのが、繁華街などに巣食うスカウトグループで、警察の厳しい摘発で解体を余儀なくされている集団もある。この余波で、ソープ業界からはスカウトからの人材供給の停滞や、彼らとの強い関係性を疑われた店舗の摘発が起きており、関係者からは悲鳴が漏れ聞こえている。 ■全国に1500人、年間利益は50億円 警視庁は27日、女性を売春目的で性風俗店に紹介したとして、国内最大規模のスカウトグループ「ナチュラル」のメンバーの男らを職業安定法違反の疑いで逮捕した。警視庁の見立てでは、ナチュラルのメンバーは全国に約1500人もおり、年間50億円ほどの売り上げがあるといい、潤沢な動員力や資金力を誇るとみられる。 しかも、風俗店との契約を担当する「契約課」、「ウイルス」との隠語で呼称する警察への対策部門の「ウイルス対策課」といった部署に分けるなどして職能型組織を構築していた。歌舞伎町の事情に詳しいA氏が語る。 「ナチュラルは東京・多摩地区出身のKという兄弟を中心に2009年ごろに立ち上げられ、歌舞伎町をはじめとする東京の繁華街のスカウトたちを糾合して急成長しました。神奈川・座間で9人殺害事件を起こした白石隆浩死刑囚もメンバーでした。 20年に、やり手スカウトの引き抜きを巡って住吉会系の組織とトラブルになったため、話し合いの席が持たれたのですが、その場に大人数で襲撃をかけて、反目の組織の者だけでなくケツ持ちだった組員にまで殴り掛かるという暴挙に出ました。 この一件で歌舞伎町のスカウトたちが軒並みヤクザに暴行される"スカウト狩り"に発展して、双方に逮捕者が出る事態に発展しました。結局、住吉会系の別の組織が新たにケツ持ちとなることで矛を収め、全国に足場を広げていきました」(歌舞伎町事情に詳しいA氏) 警察はナチュラルを含めたスカウトグループの摘発に躍起だ。全国に約300人のスカウトを擁する「アクセス」も、ナンバー1、2が職業安定法違反容疑で逮捕されている。アクセスは、全国の性風俗店約350店に女性を斡旋し、この5年間で約70億円を売り上げていたという。スカウトの摘発に警察が力を入れる理由を全国紙社会部デスクが解説する。

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