島根県東部に住む50代の女性が、警察官や検事を名乗る男らに1億円近くだまし取られる特殊詐欺被害にあったことが分かりました。県内では過去最高の被害額です。 犯人グループは女性に対し、ビデオ通話で取り調べをするなどかなり大胆な手口を使いました。 特殊詐欺被害に遭ったのは島根県東部に住む50代の女性です。 島根県警によりますと始まりは去年12月、見知らぬ電話番号から着信があり、「2時間後に携帯電話を止める」との音声ガイダンスが流れました。 案内に従い操作したところ、大手通信会社を名乗る男につながり、こう言われたそうです。 「契約した携帯電話が犯罪に使われている」 その後、警察や検事を名乗る男らに転送され、女性の携帯電話や通帳が特殊詐欺に使われたため逮捕する、保釈金を払えなどと言われ、その日のうちに800万円を振り込んでしまいました。 すると別の男から通話アプリ「Skype」のインストールを促され、「Skype」によるビデオ通話のやりとりが始まりました。 画面に登場する男は警察の制服のような服を着ていたりして、女性は刑事や検察官からビデオ通話による取り調べを受けていると信じてしまったそうです。 そのビデオ通話の中で「保釈許可決定」などと書かれた書類の画像を送られ、刑事や検察官を名乗る男らから振り込みを要求されます。 「保証金は9370万円になる」 「資産に不正収益がないか紙幣調査をする必要があるため株や保険もすべて売却して振り込め」 女性は12月30日までの半月で、31回にわたり合計9804万円を振り込んでしまいました。県内では過去最高の特殊詐欺被害額です。 その後、女性が家族に相談し、警察に届け出を提出したことで今回の被害が発覚しました。 警察は警察や検察が資金調査のために現金の振り込みを指示したりビデオ通話で取り調べをすることはないとして注意を呼び掛けています。