「逮捕する」と脅され偽の取り調べも 50代女性が1億円の特殊詐欺被害

島根県警は5日、県東部に住む50代女性が約1億円の特殊詐欺被害に遭ったと発表した。見知らぬ番号からの着信を皮切りに、大手通信会社、警察官、検事を名乗る人物に次々と電話が転送され、「逮捕する」などと脅されて金をだまし取られた。ビデオ通話で警察官のような服装の人物から偽の取り調べも受けたといい、県警が注意を呼びかけている。 県警によると、2024年12月15日、女性の携帯電話に知らない番号から着信があり、「2時間後に携帯電話を止める」などと音声ガイダンスが流れた。大手通信会社からの電話と信じて案内に従って操作すると、転送された電話に出た男から「兵庫県で契約した携帯電話が犯罪に利用されており、連絡先になっている携帯番号も止める」などと言われた。 女性は身に覚えがなかったが、電話は「大阪府警の刑事の渡辺」を名乗る男に転送。「あなたの携帯電話や通帳が特殊詐欺に使われていた。逮捕する」と脅されたため、女性は口座情報などを伝えた。さらに電話は「検事の中西」を名乗る女にも転送され、「保釈金を払え」などと言われた。女性はその日のうちに800万円を振り込んだ。 その後、12月下旬には「検察事務官の黒川」を名乗る男から「株や保険も全て売却して振り込め」などと指示され、女性は12月15~30日に31回にわたって計9804万円をだまし取られた。家族から詐欺を指摘された女性が警察に相談して事件が発覚した。【松原隼斗】

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