国の許可なく白ナンバーのトラックで運送業を営む「白トラ」で鋼材を運んだとして、警視庁交通捜査課は貨物自動車運送事業法違反の疑いで、運送業の森田明容疑者(72)=千葉市花見川区花見川=と、運送を依頼した鋼材卸売会社社長の前田政洋容疑者(45)=東京都狛江市東野川=を逮捕した。いずれも容疑を認めている。白トラを巡り、共謀容疑で荷主が逮捕されるのは全国初という。 同課によると、森田容疑者は前田容疑者から依頼を受けて約5年前から白トラで鋼材を運び、約5800万円の報酬を得たとみられる。前田容疑者は依頼した理由について、「急な依頼も受けてくれ、(ドライバーの)稼働時間を気にせず頼めた」と説明している。 ドライバーには法律で勤務時間の上限などが定められているが、無許可の業者ではこうした安全管理が行われていない可能性もある。捜査幹部は「大きな事故にもつながりかねない」と指摘し、依頼する側も罪に問われるとして警鐘を鳴らしている。 逮捕容疑は共謀の上、令和6年10月、国の許可を受けずに、千葉県船橋市内の工場から鋼材を計3回、浦安市や東京都足立区内の加工会社に計約3万円で運送したとしている。