警察への資料提出を拒否したとして香港国家安全維持法(国安法)違反の罪に問われていた民主派団体「香港市民支援愛国民主運動連合会」(支連会、2021年解散)の鄒幸彤・元副主席ら3人の上訴審で、香港の終審法院(最高裁に相当)は6日、「検察側の立証が不十分だ」などとして、3人を禁錮4カ月半とした有罪判決を破棄する判決を言い渡した。香港メディアは、国安法に問われた被告が「終審法院で勝訴した初めての案件」だと報じている。 判決などによると、香港警察は2021年8月、支連会を「外国の代弁者」とみなし、国安法の実施細則に基づいて資金源などを示す資料の提出を要求した。支連会側が外国の代弁者ではないとして拒否したことが国安法違反にあたるとして、3人は禁錮4カ月半の判決を受けた。一方、終審法院は、支連会が「外国代理人」であると警察が考えていることだけでは検察側の立証が不十分だと指摘した。 支連会は例年、天安門事件の犠牲者の追悼集会を香港で毎年主催してきたが、3人が国安法違反容疑で逮捕された21年9月に自主解散した。(高田正幸)