弁護士の紀藤正樹氏が7日までにX(旧ツイッター)を更新。兵庫県の斎藤元彦知事が自身のパワハラ疑惑などを文書で告発された問題で、文書問題調査特別委員会(百条委)がまとめた最終報告書を県議会が5日に賛成多数で了承したことについて「一つの見解」などと対応したことについて、「行政の長に要請される責任意識がない」と苦言を呈した。 紀藤氏は5日付のX投稿で齊藤知事の定例会見の映像を添付し、「知事には反省がまったく感じられず記者の質問と知事の回答がかみ合いません」との感想を綴った。さらに、同氏は「齊藤知事の『対応は適切だった』『従来の見解に変更はない』『一つの見解として重く受け止める』という回答は政治家に要請される結果責任の発想がまったくなく、『司法の場で決まる』と司法に責任を転嫁する発言が繰り返されること自体も、行政の庁に要請される自発的政策的な責任意識がない。」(原文ママ)との見解を綴った。 さらに、紀藤氏は6日に更新したXで「補足」として「司法に責任を転嫁する理屈は逮捕なければ反省なし逮捕なければ自分は正しいとの主張、結局、真摯な反省に基づく自発的更正なく、そのため再発防止のための真の行政改革も期待できない。」と付け加え、「政府により内部告発潰しの犯罪化の方向は、正に齊藤知事のこうした開き直りに対する重罰化でもある。」とも解説した。 同氏が挙げた「内部告発潰しの犯罪化」とは、4日に閣議決定した公益通報者保護法の改正案を指す。内部告発したことを理由に通報者を解雇・懲戒処分にした個人や法人に対し、6か月以下の拘禁刑や3000万円以下の罰金などを科すことになった。 公益通報者保護法は不正を告発した人に対する不当な扱いを禁じていたが、これまで違反に対する罰則がなかった。このほか、通報者を特定する行為の原則禁止、行政が命令しても内部通報の窓口担当者を設置しない事業者に対しても刑事罰の対象にすることなども盛り込まれた。「内部通報者の保護」を強化することに主眼が置かれた内容だが、それとは相反する兵庫県政の状況を紀藤氏は憂慮していた。 (よろず~ニュース編集部)