大川原化工機冤罪事件 当時の警視庁公安部の警部補1人に「不起訴不当」議決 検察審査会 東京地検が再捜査

機械メーカー「大川原化工機」をめぐる冤罪事件で、公用文書毀棄などの疑いで書類送検され、その後、不起訴となっていた当時の警視庁公安部の警部補1人について、検察審査会は「不起訴不当」と議決しました。 横浜市の機械メーカー「大川原化工機」の社長らは2020年、不正輸出の疑いで警視庁公安部に逮捕されたものの、その後、起訴が取り消されました。 事件をめぐっては去年11月、当時の公安部の捜査員3人が取り調べで作成した調書をわざと破棄したなどとして公用文書毀棄と虚偽有印公文書作成などの疑いで書類送検されています。 その後、東京地検は今年1月、3人を「嫌疑不十分」で不起訴としていて、「大川原化工機」側は検察審査会に審査を申し立てていました。 これを受けて、審査を進めていた検察審査会はきょうまでに、3人のうち当時の警部補1人について、「不起訴不当」と議決しました。 東京地検が再捜査することになりますが、一部の容疑は今月11日にも公訴時効を迎えるため、それまでに処分が下されるのか、東京地検の判断が注目されます。 検察審査会の議決を受け、都内で記者会見を開いた会社側代理人の高田剛弁護士は、「捜査機関という意味では、検察官も警察官も同じと考え、慎重に検討して結論を出したと議決書に書いている」「検察官には、これを強く重要な指摘と受け止めていただき、改めて迅速な起訴を求めたい」と訴えました。 また、大川原正明社長も、「こういう議決が出されたということは、何か検察の中でのことが不十分だというふうに率直に思ってもらいたい」と話しました。 警部補のほかに、捜査を指揮した警部についても検察審査会が審査していましたが、「不起訴処分を覆すに足りる事由がない」として「不起訴相当」と議決しています。

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