マカオ司法警察局は3月6日、マカオの高齢者を狙った特殊詐欺(電話詐欺)事案に関与したとして香港人の男(40代)を逮捕したと発表。 同局によれば、今年(2025年)1月18日、マカオの高齢者女性から電話詐欺の被害に遭ったとする通報が寄せられたとのこと。同月17日、被害者宅の固定電話に”息子”を名乗る人物から電話があり、相手は他人の物を壊した賠償金として現金10万パタカ(日本円換算:約19万円)が急きょ必要となったので用立ててほしいなどと話したという。被害者は相手の話を信じ、指示通りに自宅近くまで受け取りに来た”息子の友人”へ現金を渡したが、翌日本物の息子宅を訪問した際に詐欺被害に遭ったことに気づき、同局へ通報するに至ったという。 通報を受けた同局が調査を進め、”息子の友人”として現金を受け取った男の身元を特定。男はすでにマカオから出境していたが、3月5日に再びマカオ外港フェリーターミナルからマカオへ入境しようとした際、逮捕に成功したという。 男は同局の調べに対し、1月の事案について、犯罪組織から報酬を得て、その指示に沿ってマカオで現金を受け取ったことを認め、直近のマカオ入りについても到着後に犯罪組織からの指示を持っているところだったなどと供述。同局では、男を相当巨額詐欺及び組織犯罪の罪で検察院送致するとともに、詐取した現金の行方及び他に関与した者の行方を追っているとした。 マカオでは昨年(2024年)5月以降、香港の犯罪組織が関与したとみられるマカオの主に高齢者をターゲットとした電話詐欺事案が相次ぎ発生しており、同局は電話詐欺に関する注意喚起情報を繰り返し発出している。