【ソウル=桜井紀雄】韓国検察は8日、「非常戒厳」宣布を巡る内乱首謀罪で逮捕、起訴された尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の勾留取り消しを認めたソウル中央地裁の決定に対し、即時抗告しないと明らかにした。尹氏はソウル拘置所から釈放され、大統領公邸に戻った。尹氏の釈放は1月15日に拘束されて以来、52日ぶり。 尹氏は弁護団を通じて「応援してくれた国民に深く感謝する」と表明。戒厳を巡り逮捕、起訴された他の関係者らの「釈放を祈る」とも訴えた。 尹氏の罷免の可否を判断する憲法裁判所の弾劾審判の決定が今月中旬にも見込まれている。刑事裁判も同時に進んでいるが、尹氏は在宅で臨むことになる。地裁は、勾留期間が満了後に起訴したといった捜査当局の手続きの不備を指摘しており、今後の公判に影響する可能性がある。