動画配信中の女性刺殺 容疑者、刃物を「2~3カ月前に購入」

東京・高田馬場の路上で動画のライブ配信をしていた女性が殺害された事件で、被害女性が30カ所以上を刺されていたことが捜査関係者への取材で判明した。殺人未遂容疑で現行犯逮捕された職業不詳の高野健一容疑者(42)=栃木県小山市=は「殺すつもりはなかった」と供述しているが、警視庁は強い殺意があったとみて容疑を殺人に切り替えて調べる。 事件は11日午前9時50分ごろ、東京都新宿区高田馬場4の路上で発生。1人で歩いていた東京都多摩市の職業不詳の佐藤愛里さん(22)が横から突然襲われて上半身を刺され、死亡した。現場にはスマートフォンや撮影用の「自撮り棒」が残され、インターネットでのライブ配信中に襲われたとみられる。 捜査関係者によると、佐藤さんの遺体には顔や胸などに30カ所以上の刺し傷があった。周辺の防犯カメラには高野容疑者とみられる人物が30回以上にわたって刺す様子が映っていたという。警視庁は遺体を司法解剖して詳しい死因を調べている。 現場からは血の付いたサバイバルナイフのような刃物(刃渡り約13センチ)が見つかった。高野容疑者のリュックサックには、他にもサバイバルナイフのような刃物が1本あり、「2~3カ月前に通信販売で買って、自宅から持ってきた」と説明しているという。 高野容疑者は2021年12月ごろ、動画配信を通じて佐藤さんを知り、24年1月には、佐藤さんとの金銭トラブルに関する相談を栃木県警にしていた。 高野容疑者は「(佐藤さんに)生活費などの名目で200万円以上を貸した。お金を返してもらえないので襲うことを決心した」と供述しているという。警視庁は、2人の間に金銭トラブルがあったとみて捜査している。【菅健吾、朝比奈由佳、岩崎歩】

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