北海でタンカーと衝突の貨物船長「ロシア人だった」 船主が公表

【AFP=時事】英東部沖の北海で停泊中の米軍チャーターのタンカーにポルトガル船籍のコンテナ船が衝突した事故について、コンテナ船の船主は12日、船長はロシア国籍だったと明らかにした。船長は拘束されており、原因究明作業が行われている。 10日の衝突を受けてタンカー「ステナ・イマキュレート」、コンテナ船「ソロング」ともに激しく炎上。タンカーを運航している米海運会社は、火災は12日までに鎮火したと発表。英沿岸警備隊は、コンテナ船の火災も下火になったとしている。 英警察は11日、ソロングの船長(59)を、衝突により1人の乗組員が行方不明となり死亡が推定されるとして、過失致死の疑いで逮捕した。 これを受け船主であるドイツの海運会社エルンスト・ルスはAFPへの声明で、「船長がロシア国籍であることを確認した」と明らかにした。「他の乗組員はロシア人とフィリピン人の混成」としている。 アイルランド・ダブリンの港湾当局によれば、昨年7月、同港でのソロングの定期安全検査中に、緊急操舵(そうだ)用のコンパスに不具合が見つかっている。これについてエルンスト・ルスは、指摘された不具合はすべて「迅速に修復された」と述べた。 英運輸省のマイク・ケイン政務次官は11日、議会で、衝突は何らかの要因により起きたが、故意であることを示す「証拠は認められない」と証言した。 一方、英リバプール・ジョン・ムーアズ大学の海事センター長、アブドゥル・カリク氏はAFPに対し、停泊中の船に航行中の船が衝突する事故はまれにあるとしながら、「ソロングが回避行動を取れなかった理由は依然不明」だと話した。【翻訳編集】 AFPBB News

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