【小学女児性的暴行】「幼女には興味がない」弁護士も困惑させた69歳被告の身勝手すぎる〝言い訳〟

「自転車でぶつかったのに何も言わずに逃げたので、そうとうイライラしていました。謝らない子を懲らしめてやるにはどうしたらいいか。嫌がることをすればいいと思って、(性的暴行を)しました」 小学生だったAさんへの不同意性交等致傷などの罪に問われている高橋信吾被告(69)は、事件を起こした動機をこう語った。 「’24年8月3日、警視庁は、Aさんに因縁をつけ性的暴行に及んだとして、邸宅侵入や不同意性交等の疑いで、高橋被告を逮捕しました。 同年7月23日、高橋被告が路上に自転車を止めてたばこを吸っていたところ、自転車に乗って習い事に向かっていたAさんがぶつかったそうです。そして、謝らずに走り去ったAさんに腹を立てた高橋被告は、約300メートルにわたってあとをつけ、性的暴行に及びました。Aさんは、ぶつかってすぐに『ごめんなさいと謝った』と証言していますが、高橋被告は『聞こえなかった』と主張しています。 事件当日、Aさんと父親が交番に被害を訴えたことから事件が発覚。その後、検査を受けた病院で、高橋被告がAさんの陰部に指を挿入し、ケガを負わせたと診断されたことから、不同意性交等致傷と邸宅侵入で起訴されました」(全国紙社会部記者) ’25年3月4日から東京地裁で高橋被告の裁判員裁判が開かれた。全身、黒っぽい服で出廷した高橋被告は身長は160cmほど。白髪交じりの坊主頭で肩幅があり、目を細めながら周りを見回す姿には威圧感があった。 検察官が読み上げた冒頭陳述などによると、高橋被告は、習い事をするために自転車を止めたAさんに追いつくと、「ちょっとこっちに来なさい」と声をかけ、約30m離れた車庫に連れて行ったという。被告人は「痛かったよ」「警察を呼ぶよ」などと言ってAさんに恐怖を与え、逃げられないようにしてから、わいせつな行為に及んだ。さらにAさんの陰部に指を入れて陰部に全治不詳のケガを負わせた後、「内緒にしろ」と口止めをして、逃走したという。 控訴事実に対し、高橋被告は「指など入れてないし、ケガを負わせるような行為はしていません」と「致傷」に関しては否認し、争う姿勢を見せた。また、検察官は高橋被告が「同種前科2犯をふくむ前科4犯」であることを明かし、直近の前科を明らかにした。 「被告人は’05年に3人の女性への強姦致傷などの事件で懲役10年の判決を受けています。また’18年には2人の女性への強制わいせつなどの事件で懲役3年8ヵ月の判決を受けました。その後、’22年に歩道上で当時14歳だった少女の胸を指で突いたとして、暴行で懲役8ヵ月の判決を受け、’23年9月に出所しています。被害者の多くは14歳~17歳の少女でした」 ◆「性的な行為に興味がない」と主張した高橋被告 初公判では、午後から被告人質問が行われた。 まず弁護人が、「Aさんが自転車を止めた後、そこで謝らせることをせずに車庫に移動したのはなぜか?」と質問すると、高橋被告はこう答えた。 「習い事をしている家の前だというんで、中から人が出てきて、こっちが不利になったら嫌だと思ったからです。ここなら人目を避けられると考えました」 このとき、高橋被告は「それでもAさんは謝らなかった」と主張している。 「車庫に入って、『謝れ』と怒鳴りました。Aさんはキョトンとしたような表情で、何も言わない。それで、余計にイライラして、とにかく嫌がることをしてやろうと思って、性的暴行に及びました」 しかし、Aさんの陰部に指を挿入してケガをさせたことは強く否定したのだ。 「子どもだとわかっている人間に指を入れて、痛がらせる意味がない。嫌がらせはしたいけど、ケガをさせたくはないんです。僕は糖尿病で男性機能を失ってるんで、性的な行為に興味がない。幼女にも興味もないし」 弁護人の「嫌がらせ目的だったら、他のやり方があったんじゃないですか?」という質問には、こう主張した。 「そこが僕の病的なところだと思っています。考えることが性犯罪になってしまう。抑えられなくなっちゃう」 「幼女に興味がない」と言いながらも、高橋被告は逃走する前にスマホでAさんの写真を撮っている。その後、削除していたが、警察が復元したところ、そこには感情がすっかり抜け落ちて無表情になったAさんが写っていたという。 ◆両親への謝罪を拒んだ理由 弁護人が「なぜ、写真を撮ったのか?」という質問には、こう答えた。 「かわいかったからです。Aさんから『TikTokなどに投稿しないで。私も言わないから、あなたも言わないで』と言われたので、誰にも言わないよ、約束だね、と別れました」 しかしAさんは警察の取り調べのなかで、「(事件後)犯人に『内緒にしろ』って言われたけど、家に帰って泣いてしまったら、お父さんに『どうしたの』って聞かれたので、あったことを話した」と供述している。Aさんが「私も言わないから」と言ったという高橋被告の証言はかなり突飛なものに聞こえる。 「Aさんと約束した」という話は、弁護人もはじめて聞いたのか、「私も知らない話が、時々、出てきてるんですが」と、戸惑いを隠せない様子だった。 検察官もこの点について、「Aさんは被告人に『内緒にしろ』と言われたと供述していますが、違うんですか? それまで恐怖で言葉を発することができなかったAさんが突然『TikTokとかには』と話しはじめたんですか?」と疑問を呈していた。 すると、高橋被告は「私からではありません。Aさんから『このことは誰にも言わないから、あなたも言わないでね』と念押しされました」と、声を荒らげたのだった。 被告人質問のなかで、高橋被告は一切謝罪の言葉を口にすることがなかった。島戸純裁判長が「この場にいらっしゃるAさんのご両親に謝罪することはできませんか?」と高橋被告を促したが、こう述べるだけだった。 「謝罪を望んでいらっしゃるんだったら、ここで土下座でもなんでもしますけど、たぶん望んでないと思います」 そして、被告人質問の最後、島戸裁判長の「最後に、事件のことで言い足りないことはありませんか」という質問には、「私は陰部にケガを負わせてはいません」と最後まで「致傷」について否定して少しでも罪を軽くしようという、きわめて自己中心的な態度に終始したのだった。 そんな高橋被告の言葉に、島戸裁判長は「その言い分はすでに聞いています」と述べ、初公判は閉廷となった。 【後編】『「二度と社会に戻ってこないで」被害者両親を慟哭させた被告が下された審判』では第2回公判で被害者家族が吐露した心情や、高橋被告に下された判決について紹介している。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加