◇「ブルー・ライト・ヨコハマ」などで知られる歌手・いしだあゆみさん死去 恋多き役柄を多く演じたいしださんだが、私生活でのロマンスも注目を集めた。 中でもショーケンこと、俳優で歌手の萩原健一さん(享年68)との恋は波瀾(はらん)万丈だった。 2人は1977~78年放送のドラマ「祭ばやしが聞こえる」(日本テレビ)で共演。そこから親交を深め80年、挙式した。当時、萩原さんはモデルの小泉一十三さんとの結婚生活が破綻したばかり。インドネシア・バリ島に逃避していたところ、いしださんから「いつまでそちらにいるの?」と電話がかかってきたという。そのまま大急ぎで帰国し、成田空港からいしださんの家に直行。そこから同居生活が始まった。 ただ、当時の萩原さんの生活は不安定で、酒やタバコに溺れるだけでなく、83年には大麻の不法所持で逮捕された。翌84年には飲酒運転で人身事故を起こし、業務上過失傷害罪でも逮捕された。他の女性との浮いた話もあって、2人の生活は破綻した。この年、俳優の山崎努(88)立ち会いの下、離婚届にサインしたが、実は婚姻届すら出されていなかったことが後に判明したと萩原さんが話している。 事実婚生活が終わり、いしださんは1人で離婚会見を行った。世間では萩原さんの事件などが破局の原因とされていたが、いしださんは「家庭をおろそかにして主婦失格です」などと萩原さんを責めることはなかった。凜(りん)とした姿で対応し“伝説の会見”として語り継がれることになった。 当時の本紙インタビューにも「凄く愛されました。私から見れば理想の夫婦でした」と萩原さんへの愛を語る一方で、「また同じことをやっちゃうかも」と再婚もほのめかしていた。 森進一(77)や作曲家の三枝成彰氏(82)らとの熱愛報道もあったが、生涯結婚することはなかった。