SUPER EIGHTの丸山隆平が主演する映画『金子差入店』(5月16日公開)の本予告映像、本ビジュアル、主題歌を担当するSUPER BEAVER「まなざし」音源が解禁した。厳しい審査や検閲がある刑務所への差入のルールを熟知した差入屋は、さまざまな事情から面会に行くことができない人たちに代わって、面会室へ出向くこともある仕事。そんな差入店を営む家族の絆と、彼らが巻き込まれる不可解な事件を描く。 差入店の店主を務める主人公の金子には、『泥棒役者』以来8年ぶりの主役を演じる丸山。共演は、真木よう子、三浦綺羅、川口真奈、北村匠海、村川絵梨、甲本雅裕、根岸季衣、岸谷五朗、名取裕子、寺尾聰。監督はオリジナル脚本も手掛けた期待の新鋭・古川豪氏が務める。 予告映像は「奥さまからご依頼をいただきまして、ご理解の上サインをいただくよう…」と差入店を営む金子が、依頼者から預かった離婚届を差し入れるシーンから始まる。刑務所や拘置所に収容された人への差入を代行する差入屋。さまざまな事情から面会に行くことができない人たちに代わって、面会室へ出向くこともある差入屋が依頼者から預かる差入物は、衣類や食料などの生活用品から個人的な手紙など多岐にわたる。 叔父の星田(寺尾)から引き継いだ差入店を営む金子一家の穏やかな日常が映し出された直後、空気が一変。ある殺人事件をきっかけに物語は大きく展開していく。無惨に殺害されてしまった、金子の息子・和真(三浦)の幼なじみ・花梨の遺体から悲痛なシーンが続いたのち、花梨を殺害した男・小島高史(北村)が血まみれで虚ろな表情を浮かべながら街を歩く姿が映し出される。 事件直後に逮捕された小島は拘置所に収容され、小島の母・こず江(根岸)は金子差入店を訪れる。憔悴(しょうすい)しきった様子でバツが悪そうに話すこず江に、「差入することは権利ですので」と仕事をまっとうする金子。そして、金子と小島の面会室での対峙シーンも公開。「服役していたんですって?」と飄々とした様子で金子の過去に言及するように投げかける小島に対し、息子の幼なじみを殺害した男を前に、怒りに震える金子の表情がアップで映し出され、緊張感が漂うシーンとなっている。 こず江からの依頼で小島との面会を重ねる日々。金子一家への世間からの風当たりが強くなっていく。妻・美和子(真木)はママ友にハブられ、和真は学校でひどいいじめを受ける。心無い落書きで埋め尽くされた教科書を見つけ、いじめの事実を知った金子は美和子に激しく当たってしまう。学校に乗り込み、乱暴な行動をとってしまう金子。壊れていく日常の中で、揺らいでいく家族の絆。自身の過去、仕事のこと、家族のこと、あらゆる葛藤にさいなまれ、「つらいんだよ、突き刺さってくるみたいでさ」と弱々しくつぶやく金子に、一家の日々を一番近くで見守る星田が「お前はお前の思うようにすればいいんだ」と投げかける。 本映像の緊張感がゆるやかに解かれ、SUPER BEAVER書下ろし主題歌「まなざし」が響く。涙ぐむわが子を強く抱きしめる金子。娘を失い泣きわめく徳山詩織(村川)を、同じ子を持つ母として強く抱きしめる美和子。「不条理なこの世界で人はまた立ち上がれるのか」という問いかけの答えを考えさせるかのように、情感あふれるシーンが続く。 映像の終盤では、被疑者・横川(岸谷)と、横川に母を殺されたはずの二ノ宮佐知(川口)が泣き崩れる面会シーンがもうひとつの事件の行方を想起させ、「差し入れるのは、小さな希望。」という本作のキャッチコピーとともに力強くつながれた手で幕を閉じる。魂を震わせる感動のヒューマンサスペンスの誕生を予感させる映像に仕上がっている。 ポスタービジュアルは、金子の横顔と優しく光る“まなざし”が印象的なデザイン。金子の視線の先に「差し入れるのは、小さな希望。」というコピーがあしらわれる。金子の上下には真木演じる妻・美和子や、寺尾演じる叔父・星田のほか、金子家を取り囲む人々のカットが並んでおり、金子一家と星田の柔らかな表情と、取り巻く人々の深刻な表情の対比から、悲喜こもごものストーリーを彷彿とさせるビジュアルに仕上がっている。