国指定特別史跡「大野城跡」(福岡県太宰府市など)の区域内で、土地所有者に無断でキャンプ場を開設したとして、県警は20日、不動産侵奪容疑で中国籍の夫婦を逮捕した。 いずれの認否も明らかにしていない。 逮捕されたのは、妻の会社役員劉暁慶(41)=同県宇美町、夫の会社員李勇(42)=同=両容疑者。 逮捕容疑は2022年10月~23年9月下旬、大野城跡の区域内にある、福岡市の女性(95)ら21人が所有する土地(約2300平方メートル)を無断で造成し、キャンプ場を開設するなどした疑い。 県警によると、劉容疑者らはキャンプ場の土地の一部を所有していたが、他の所有者の許可は得ていなかった。 特別史跡の指定を受けた区域の開発には、文化財保護法や都市計画法に基づく申請が必要だが、太宰府市や県によると、劉容疑者らはしていなかった。 太宰府市の担当者が22年10月ごろ、大野城跡の区域内にプレハブ小屋などが設置されているのを見つけて撤去を求めたが、劉容疑者らは従わなかった。23年9月には、キャンプ場が開設されているのが確認された。 県によると、大野城は7世紀に築造された山城で、城があった周辺は1953年に特別史跡に指定された。