地下鉄サリン事件から30年 平均年齢29歳のテロ対策の最前線に立ち「事件の教訓次の世代に」

14人が死亡し、6000人以上が重軽傷を負った「地下鉄サリン事件」からきょう20日で30年です。国内史上最悪の無差別テロ事件をきっかけに、鹿児島でもテロ対策が強化された一方、記憶の継承が課題となっています。 20日、現場となった東京の霞ケ関駅では、発生した午前8時にあわせて駅員らが黙とうを捧げ、遺族らが花を手向けました。 (夫を亡くした 高橋シズヱさん・78)「本当はこんな人生じゃなかったのにと思うと、悔しい思いもある。長い30年の一つの節目として献花しました」 1995年3月20日、当時のオウム真理教の信者が、都内の地下鉄に猛毒のサリンをまき、14人が死亡、6000人以上が重軽傷を負いました。 鹿児島県内でも駅や列車に不審物がないか点検が行われ、動揺が広がりました。 警察は事件の後、全国のオウム真理教の拠点を強制捜査し、教祖の麻原彰晃、本名・松本智津夫死刑囚ら幹部を逮捕。 松本死刑囚ら13人の死刑が執行されました。 社会を震撼させた事件から30年が経ち、街では…。 (40代)「自分の記憶の中にある初めてのテロ。小学校の教室のテレビで(松本死刑囚の逮捕)をみんなで座って見たのを覚えている」 (80代男性)「ちょうど東京にいたのでよく覚えている。理不尽な事件、今でも不快に思う。オウムの事件は今でも胸が痛い」 公安調査庁によりますと、オウム真理教の後を継ぐ「Aleph」、「ひかりの輪」「山田らの集団」の信者は現在、およそ1600人。全国15都道府県に30の拠点を置いていますが、鹿児島では確認されていません。 後継団体の活動が続く一方、事件を知らない世代も増えています。 (30代)「私たちが生まれる前だがニュースで聞いて知っている。安倍元総理の事件から、(テロを)かっこいいと思う人が増えないといい」 (20代)「いろんな宗教があるのは分かるが、対立的なことをするのではなく平和的に手をとりあえる環境づくりがあってほしい」

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