交際女性に情報漏洩の疑い 鹿児島県警の前捜査2課長を書類送検

交際女性に捜査情報を漏らしたとして、鹿児島県警が前捜査2課長、安部裕行警視(29)を地方公務員法違反(守秘義務違反)の疑いで12日に書類送検していたことがわかった。県警が21日、安部警視を停職1カ月の懲戒処分にし発表するなかで明らかにした。 監察課によると、安部警視は2023年8月~24年12月ごろ、県内外の複数の女性と同時に交際。うち1人に対し24年4~6月ごろ、自身が捜査していた事件の情報をスマホのメッセージアプリで漏らした疑いがある。 安部警視は今年2月、別の女性を被害者とする不同意性交の疑いでも書類送検されており、その捜査の過程で今回の事案が発覚。県警の調べに「仕事が忙しい状況を理解してもらうために情報を伝えた」と話しているという。 県警をめぐっては、内部文書を漏洩(ろうえい)したとして前生活安全部長が国家公務員法違反(守秘義務違反)の疑いで逮捕・起訴されている。安部警視はこの事件をはじめ、別の警察官による情報漏洩事件の捜査などを担当する立場だった。 県警はこの日、報道陣向けに説明する場を設定。牛垣誠首席監察官が「まさに示しがつかない状態で、非常に重く受け止めている」と陳謝した。岩瀬聡本部長も同席し「今回の事案は、これまでの(県警の一連の不祥事をめぐる)再発防止対策に臨む姿勢そのものに疑義を生じさせるもので、極めて重く受け止めている」と述べた。 ◇ 鹿児島地検は21日、地方公務員法違反(守秘義務違反)と不同意性交の疑いで書類送検された県警の前捜査2課長、安部裕行警視(29)について、両容疑とも不起訴にしたと明らかにした。地公法違反は「起訴猶予」にしたという。不同意性交については内容を明らかにしていない。(加治隼人)

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