金曜ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系/U-NEXT、Nettflixで配信)の第9話が、3月21日(金)に放送された。第9話では、東賀山事件の犯人として死刑判決を受け服役中の遠藤力郎(酒向芳)について、記者・神井孝(磯村勇斗)が受け取ったという力郎の手紙で新たな事実が明らかとなった。このほど、力郎役の酒向にインタビューを敢行。自身が演じる役柄への向き合いや、共演者とのエピソードなどを語ってくれた。 ■「このマンガがすごい!2024」ランクインの大人気漫画が待望のドラマ化 本作は、月刊漫画雑誌「Kiss」(講談社)にて連載中で、「このマンガがすごい!2024」(宝島社)オンナ編の第4位にランクインした浅見理都の同名漫画をドラマ化。クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫る姿を描くヒューマンクライムサスペンスだ。 父が殺された理由を追う大学生・山下心麦を広瀬すずが演じるほか、心麦と共に事件の真相を追う弁護士・松風義輝役を松山ケンイチ、殺された心麦の父・山下春生役をリリー・フランキー、心麦を執拗に追う週刊誌の記者・神井孝役を磯村勇斗が務める。 さらに、心麦を取り巻く人物として松風の弁護士事務所の共同経営者・波佐見幸信役に森崎ウィン、心麦と春生が通う屋台ラーメン店の店主・染田進役に酒井敏也、心麦の母・山下静香役に仙道敦子、心麦の伯母・木村夏美役に原日出子、心麦の小学校時代からの友人・ありさ役に清乃あさ姫、春生の捜査一課時代の部下・赤沢正役に藤本隆宏、赤沢の妻・赤沢京子役に西田尚美、その息子・赤沢守役に野村康太が決定。 事件に関わる人物にも、検事・阿南由紀役の瀧内公美、捜査一課の若手刑事・秋貞隆雄役の絃瀬聡一、東賀山署の刑事・西陣誠役の斉藤優、22年前に起こった一家惨殺事件の犯人として逮捕された死刑囚・遠藤力郎役の酒向芳、遠藤の息子で春生を殺害した犯人として逮捕される遠藤友哉役の成田凌ら、豪華キャストが集結。謎が謎を呼ぶストーリーを盛り上げていく。 ■「力郎が連行されるときの友哉の顔が、とても印象に残っています」 ――植木職人として真面目に働いていた力郎は、妻が出て行った後ギャンブルや酒におぼれていきましたが、どのように演じようと思われましたか? 私自身、ギャンブルはやりません。ですが、俳優という仕事はギャンブルのようなものかもしれません。いつ芽が出るか、いつ呼ばれなくなるか分からないですからね。その中で、さまざまな役と出会えることは褒章だと思っています。 そう考えると、毎回同じ役ではなく、新たな役を演じられる私は幸せ者なのかもしれません。今回演じた力郎は監督たちの考えを聞いて、自分の中で落とし込みながら、毎シーン挑んでいます。 ――力郎にとって、息子の友哉はどんな存在だと思われますか? 「この子のためなら」と思ってしまうくらい、大事な存在だと思います。ありきたりな言葉にはなってしまいますが、目に入れても痛くないほどでしょうね。私自身も子どもを持つ親なので、少し重ねてしまい切ない気持ちになったこともあります。 2話では、友哉がパチンコ店でパチンコ玉を拾うシーンや、奥さんと友哉と3人で並んで寝ているシーンがありました。そして、力郎が手錠をかけられ、連行されるときの友哉の顔が、とても印象に残っています。 ――屋台ラーメン店の店主・染田進を演じた酒井敏也さんと、この作品がきっかけで同郷であることが分かったそうですね。 酒井さんとは今回が初共演でした。高校の教師をしている私の同級生から、「お前と同じ作品に出ている酒井って、お前の後輩やぞ」と言われて驚きました。 調べてみると同じ岐阜県出身で、しかも私と同じ高校の窯業科に通っていた1学年下の後輩だと分かったんです。びっくりしましたね。そのご縁もあって、一緒に食事に行きました。 ――酒向さんは本作はもちろん、2024年の10月期に放送された日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(TBS系)でも視聴者の印象に残る役柄を演じられていましたが、演じる際に意識していることはありますか? 自分の爪痕を残そうと思って取り組んでいるわけではないので、特に意識していることはありません。台本に書かれていること、そのシーンでの自分の役割を全うすることを大切にしています。 SNSは一切見ていないので、本作でも監督から「犯人考察が盛り上がっている」と聞いても、最初は何の話なのか分からなかったくらいです(笑)。 ■「『この人、気持ち悪いな』と思ってもらえたら(笑)」 ――「信じること」が本作のテーマですが、西田さんが何かを信じるときに大切にしていることは? 自分を信じないことには、人を信じることはできないと思います。自分を信じた上で相手を選ばないと、どこかで裏切られるかもしれませんからね。 人のことは簡単には分からないものですが、まずは相手の目を見ることが大事だと思います。目を見ると、その人がこれまでどんな生活をしてきたのか、なんとなく分かるんですよ。超能力があるわけではないですが、それまで生きてきた軌跡のようなものが見える気がします。これは、年齢を重ねる中で分かってきたことですね。 ――若い頃から自分を信じることができていたのでしょうか? 信じられなかったですね。自分が分からなければ、自分を信じることはできません。自分がどういう人間なのかを理解したときに、初めて自分を信じることができるのではないでしょうか。 ――最後に、本作の見どころを教えてください。 演者側も犯人を知らずに撮影が進んでいったのは、珍しいのではないでしょうか。私の中にある力郎の部分を引き出せたと思っているので、見てくださる皆さんに「この人、気持ち悪いな」と思ってもらえたらいいのかなと思います(笑)。最後までお楽しみください。