中東情勢を巡る「反ユダヤ主義的な嫌がらせ」への対応が不十分だとして、トランプ米政権から4億ドル(約600億円)の助成金を取り消されたコロンビア大学が21日、警備や中東関連の教育内容を見直すと明らかにした。政府による大学への強権的な介入として懸念の声も上がっている。 大学の発表によると、キャンパスから人を排除、拘束できる権限のある警備員を36人雇うほか、デモ参加者らが学内で顔を隠すためにマスクをつけることを禁じる。さらに中東関連の教育・研究内容の「徹底的な見直し」を進める上級幹部を新たに任命する。 米メディアによるとトランプ政権は19日、ペンシルベニア大学に対しても、トランスジェンダー選手の競技参加を巡る対応を問題視して約1億7500万ドルの助成金を止めた。こうした圧力を通じて大学の自由が脅かされることへの懸念も報じられている。 コロンビア大学を巡っては、トランプ政権は8日、「反ユダヤ主義」の活動をしていたとして、元大学院生マフムード・カリル氏を拘束した。カリル氏はキャンパスでの抗議活動の中心にいた人物の一人で、表現の自由とも関わる問題として論争を呼んでいる。(ニューヨーク=青山直篤)