電車内は通勤通学客で身動きがとれないような状況だった。男はターゲットの女性の背後に立ち下半身を密着。犯行に及んだとされる――。 警視庁蔵前署は7月9日までに、不同意わいせつと器物破損の疑いで東京都墨田区に住む会社員・西宮健右容疑者(43)を逮捕した。調べに対し容疑を認めているという。 「逮捕容疑の事件は、昨年11月18日の朝に起きました。通勤ラッシュにより満員の京成押上線の上り車内で、西宮容疑者は10代の女性Aさんにわいせつな行為をしたとされるんです。西宮容疑者はAさんの背後に立ち下半身を密着させたとか。さらにAさんの服に体液をかけたとされます。2人に面識はなかったようです」(全国紙社会部記者) 電車を降りたAさんは、自分の服が体液で汚れていることに気づき警察へ相談。防犯カメラの映像などから、西宮容疑者の犯行が浮上した。 ◆「怖い思いをさせてしまい」 警察に対し西宮容疑者は、次のような供述をしているという。 「被害者の方に怖い思いをさせてしまい大変申し訳なく思っています。約3年間で20回くらいやりました」 本誌カメラマンが7月10日に行われた送検を撮影すると、西宮容疑者は驚きの行動をとった。警察署から姿を現すと怯えたように腰を曲げ、報道陣に対し顔をそむけながら護送車に乗り込んだのだ。 元神奈川県警刑事で、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が解説する。 「痴漢行為はエスカレートします。最初は服の上から相手の身体を触っていたのが、スカートの中に手をいれ、自分の下半身を露出し始めるなどです。女性に体液をかけた今回の容疑者も、欲望がどんどん膨らんでいったのでしょう。『20回くらいやった』という供述も納得がいきます。 朝の満員電車を狙う手口も計画的です。理由は三つあります。一つは混雑して被害に遭う女性が身動きをとりづらいこと。二つ目が学校や会社への遅刻を恐れ、女性が被害を訴えづらいこと。三つ目が、朝ならターゲットの女性がたいがい同じ時間の同じ電車を使い狙いやすいことです。女性の朝の忙しさにつけこんだ、悪質な犯罪といえるでしょう」 警察は西宮容疑者に余罪があるとみて、他にも同様の被害がないかさらに捜査を進めている。