マカオ司法警察局は3月21日、中国人(中国本土居民)で構成される偽造ゲーミングチップ犯罪グループを摘発し、このグループに所属する7人を逮捕したと発表。 同局によれば、同局ゲーミング(カジノ)犯罪調査処がマカオのカジノ施設で発生した偽造ゲーミングチップ行使事案について高い関心を持ち、情報収集及び分析を進めた結果、当該グループが昨年(2024年)中頃から複数回にわたってマカオ入りして犯行を重ねていたことを突き止め、メンバーの身元の特定と並行して配備を整えてきたという。 同月19日夜、当該グループのメンバーが再びマカオ入りするとの情報をキャッチし、メンバーの男3人が(マカオ半島北部にある中国本土との主要な陸路の玄関口)關閘イミグレーションからマカオ入りした際に逮捕。この際、2人の所持品の中からマカオに実在するカジノ施設のマークが入った額面1万香港ドル(日本円換算:約19万円)の偽造ゲーミングチップ61枚が発見されたほか、2人がイミグレーション施設内のトイレに遺棄した同種のチップ19枚も見つかったとのこと。その後、20日朝、偽造ゲーミングチップにマークのあったカジノ施設内で、犯行の準備をしていたメンバーの男4人を逮捕。この4人についても同種のゲーミングチップ48枚を所持していたという。 同局の調べで、この犯罪グループは昨年7月から今回逮捕された7人を含む複数人が様々な組み合わせで中国本土から額面1万香港ドルと5万香港ドル(約96万円)の偽造ゲーミングチップを持ってマカオ入りし、マカオ半島及びコタイ地区のカジノ施設内で「換銭党」と呼ばれる違法両替に従事する人物やギャンブラーを相手に交換し、銀行送金を用いて現金を詐取し、メンバーそれぞれ成功報酬として2万人民元(約41万円)を受け取っていたことが判明。同局が認知した事案は5件で、被害者数は17人、被害額は120万香港ドル(約2305万円)に上っているとのこと。 同局では、捜査で得られた情報を総合判断し、上述の7人について、組織犯罪、相当巨額詐欺、詐欺性賭博の罪で検察院送致するとともに、逃走中の人物の行方を継続して追っていくとした。 なお、同局は、本件に絡む偽造ゲーミングチップは外見、重量、サイズが本物と酷似しており、見た目だけでの真贋判断が難しく、専門機器による検査を必要とするものだったことも明らかにし、市民及び旅客に対し、詐欺被害を避けるためにも見知らぬ人物との間でゲーミングチップの両替・交換をしないよう呼びかけを行った。