ミャンマーで日本人の高校生をだまして特殊詐欺に加担させたとしてタイ警察に拘束された藤沼登夢容疑者(29)が、知人に対する監禁などの容疑で大阪府警に逮捕された事件で、同容疑者が海外で特殊詐欺を行う日本人の確保に失敗し、知人とトラブルになっていたとみられることが25日、捜査関係者への取材で分かった。 捜査関係者によると、藤沼容疑者と知人らは、中国系組織からそれぞれ人材派遣を請け負っていた。中国人から「日本人が欲しい」と依頼を受けた知人は、藤沼容疑者に人集めを頼んだが失敗。すでに航空券の手配をしていた知人が弁済を要求したところ、トラブルになり監禁事件に発展したという。 藤沼容疑者らはSNSで「高額収入短期」などとうたって電話をかける役や通訳などを募集しており、府警は特殊詐欺のリクルーターだったとみて詳しく調べる。 事件後、藤沼容疑者は海外に逃亡。オンラインゲームで知り合った宮城県の高校生を誘い出し、詐欺を強要したとみられている。日本の警察当局は、高校生をだましてミャンマーに誘拐した疑いでも藤沼容疑者を捜査している。