Mussa Qawasma Ali Sawafta [スシヤ(ヨルダン川西岸) 25日 ロイター] – 今年の米アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」の共同監督であるパレスチナ人のハムダーン・バラール氏が24日、イスラエル当局に拘束され、翌25日に釈放されたことが分かった。 バラール氏によると、ヨルダン川西岸にある故郷の村スシヤにイスラエル人入植者の襲撃があり、隣家が襲われる様子を撮影。自分の家に被害がないか確認するため戻ったところ、自身も暴行を受けて負傷したという。 バラール氏はロイターに、自宅への襲撃がないよう家の外にいたところ、治安当局の兵士に押し倒され、銃を向けられたと説明した。スシヤ当局者によると、数十人の入植者らがラマダン(断食月)明けの集会を襲い、パレスチナ側の約8人が負傷したという。イスラエルの警察当局はその後、バラール氏ら3人を逮捕した。 この当局者によると、入植者による襲撃はこのところ増加しており、羊などの家畜が盗まれる被害も出ているという。こうした問題を監視するパレスチナ人や活動家は、警察や軍は通常介入せずに傍観していると語った。 一方、イスラエル軍は今回の事件について、パレスチナ人がイスラエル市民の車に石を投げ、治安部隊にも投石したため、警察などが介入し、投石した疑いがあるパレスチナ人3人と、暴力に巻き込まれたイスラエル人1人を拘束したと述べた。