350勝の大投手・米田哲也容疑者の万引き逮捕は他人事ではない 球界OBが明かす「引退後の苦しい生活」

開幕直前、衝撃のニュースが報じられた。兵庫県尼崎市のスーパーで万引きをしたとして、県警尼崎北署が元プロ野球選手の米田哲也容疑者(87)を窃盗の疑いで現行犯逮捕した。報道によると、米田容疑者は25日午前10時40分ごろ、自宅近くのスーパーで、350ミリリットル入りの缶チューハイ2本(販売価格303円)を盗んだ疑いがある。容疑を認めているという。 オールドファンならだれもが知っている名投手だ。1956年に鳥取県立境高校から阪急(現オリックス)に入団すると、2年目の57年に21勝をあげ、そこから19年連続2ケタ勝利のプロ野球記録を作る。20勝以上も8度達成。1960年代後半から70年代に阪急の黄金時代を支えた。22年間の現役終盤には阪神、近鉄を渡り歩き、NPB歴代2位の通算350勝を積み上げた。肩、肘に大きな故障がなく、通算投球回数5130イニングも歴代2位。驚異的なスタミナからつけられた異名が「ガソリンタンク」だった。現役引退後は近鉄、阪神、オリックスのコーチを歴任し、名解説者としても知られた。 「頭の回転が速かった印象があります。夜のネオン街に繰り出して酒を豪快に飲む一方で、登板日の夜は胃の負担を考えて何も食べずに水分補給のみで就寝するなど、体調管理を徹底していました。コーチとしての手腕も高かった。85年に阪神が日本一になったときの原動力となった中西清起さんや中田良弘さん、オリックスでエース格になった野田浩司さんの素質を開花させたことでも知られています。最近はメディアに出なくなり、どうしているかと思っていましたが、ニュースを見てびっくりしました」(元在阪スポーツ紙記者) ■スナック経営に失敗、厳しい生活に 大投手の晩年に、何が起きたのか。大阪のテレビ関係者はこう語る。 「引退後、西宮市でスナック『セナ350』を経営していましたが、うまくいかなかったようです。年齢を考えると、万引きはお金がなかったからだけなのかとは思いますが、厳しい生活ではあったようです。実際、世間が想像しているより現役引退した後に苦しい生活を送っている球界OBが多いのは事実です」

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