〈不倫相手を妊娠させ300万円必要〉…29歳消防士「80代女性の息子装い詐欺か」報道陣を睨み写真

警察署から男が出てきたのは朝8時過ぎだ。署員に護送バスまでのルートを指示されると、それまで顔を伏せていた様子が一変。本誌カメラマンら近くにいた報道陣を睨み、不貞腐れたような表情をみせた――。 警視庁野方署は3月25日、詐欺未遂の疑いで千葉県袖ケ浦市に住む田口寛朗容疑者(29)を逮捕した。田口容疑者は同県市原市消防局に勤務する消防士。高齢女性から現金をだまし取ろうとしたとされる。 「田口容疑者は詐欺グループの仲間と共謀し、東京・中野区に住む80代女性Aさんの息子を装ったそうです。3月下旬に、息子のふりをしてAさんにこう電話で伝えたとか。〈不倫相手を妊娠させてしまった。示談金に300万円が必要だ〉と。 不審に思ったAさんは、実の息子の妻に確認。田口容疑者が話したような事実はないことがわかり、警察に相談しました。Aさんは警察とともに田口容疑者の誘いに乗り『だまされたふり作戦』を実行します」(全国紙社会部記者) ◆〈借金があり短期間でカネを稼げる仕事を〉 3月25日、Aさんは指定された神奈川・川崎市内の路上で偽のカネを用意し待っていた。現れたのは、弁護士を装ったスーツ姿の田口容疑者。Aさんから偽のカネを受け取ろうとした瞬間、待機していた警察官に現行犯逮捕されたのだ。 警察の調べに対し、田口容疑者はこう供述し犯行を認めているという。 〈借金があり短期間でカネを稼げる仕事をSNSで探していました。詐欺の受け子をやってしまった〉 元神奈川県警の刑事で、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が解説する。 「『闇バイト』に関しては、〈ホワイト案件〉などの言葉にだまされ応募してしまう人間もいます。当初は特殊詐欺と認識していなかったものの、身分証明書や家族構成まで指示役に把握され、やむなく高齢者をだましカネを奪いとるケースです。 今回の事件では、田口容疑者に言いわけの余地はないでしょう。詐欺とわかっていて、カネほしさに犯罪に手を染めたわけですから。消防士は公務員です。安定した給与が支給されるにもかかわらず、『闇バイト』に応募するほど借金が膨らんでいたことも理解に苦しみます」 警察は、田口容疑者に指示を出していた人物など背後関係についても捜査を進めている。

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