経理・財務部の人だけじゃない…もうすぐ潰れる会社から早く逃げ出すために仲良くなるべきは"この部署"の人

■コーヒーメーカーが撤去観葉植物が枯れている 倒産は、ある日突然やってきます。企業規模が大きくなるほど、情報には箝口令(かんこうれい)が厳重に敷かれるので、社員は知る由もありません。知られてしまうと、倒産日までに取引先が撤退したり従業員が退職したりと、少しでも確保したい売り上げさえ入ってこなくなるため、ギリギリまで誰にも知られないようにするのです。 そもそも倒産とは何でしょうか。企業が債務の支払い不能に陥るなどして経済活動の継続が困難になった状態を指し、法的倒産と私的倒産の2つに分かれます。法的倒産は、再建型の「会社更生」と「民事再生」、清算型の「破産」と「特別清算」の4つに分類されます。私的倒産は、「銀行取引停止」や「内整理」(任意整理)の開始などが挙げられます。 民事再生で事業継続する予定なら、なおさら情報は隠されます。そして、従業員がある朝いつものように会社へ行くと、入り口に倒産の告示が貼ってあるわけです。事態を知っているのは、社長と幹部、一部の経理や財務担当者のみ。実は、倒産することは3カ月〜半年前にはもうわかっていることも多いのです。民事再生するにしても清算するにしても、水面下で手続きを進めています。 会社の売り上げがちゃんとあって、延滞せずに支払いしている黒字経営の会社でも、潰れることはあります。理由の多くは、消費税です。赤字になれば免税される法人税などと違い、消費税は赤字であっても支払わなければいけません。たとえば、現時点で赤字経営でも、同年度内に1億円の売り上げがあれば、単純計算で1000万円の消費税を払わなければいけません。そのため、消費税を支払うための消費税貯金をしている企業は少なくありません。 これら倒産のニオイを従業員が嗅ぎつけるためには、日ごろから会社や社長のちょっとした変化に目を光らせておくことが大切です。一般従業員でもわかる「潰れる会社の兆候」をお教えしましょう。 こまめに手入れされていた観葉植物が枯れて放置されている、清掃会社に頼んでいた清掃を自分たちでするようになった、コーヒーメーカーが撤去された、社用車を外国車から国産車に替えた……このような怒涛のコストカットが始まると「倒産の兆候!」と思われがちですが、そう考えるのは早計。コストカットしているうちはまだセーフ。社長に立て直す意欲があり、危機から脱出するケースが意外と多いです。 プライドの高い社長には注意が必要です。社長が自宅を「最後の城」として手放せず、これが致命傷となって自己破産してしまうケースが散見されます。社長個人の車や役員報酬も同じです。「業績が下がって辛い」と言いながら自分はベンツに乗っているような社長には、誠意を感じませんね。反対に、安い中古車に買い替えたり、自分の役員報酬を大幅カットしたりしていると、評価はよくなります。つまり、プライドを捨てて自宅や私用の高級外車を売り、生活レベルを落とせる社長なら、まだ会社を立て直す可能性があるということです。 社長の見た目の変化は、わかりやすい危険サインです。たとえば、いつもアイロンのかかったワイシャツを着ていたのに、徐々にしわしわのシャツを着るようになる、などです。ある破産専門の弁護士は、「倒産前の社長は顔色がどす黒い土色になる」とも言っていました。また、一貫して人の話を聞かない社長が、急に弁護士や税理士に意見を請うようになったときも要注意です。 その後、しわしわのシャツを着てどす黒い顔色をした社長が、ある日突然晴れやかな表情になったら……ほぼ倒産確定でしょう! やるべきことはやって、あとは飛ぶ(逃げる)だけになった証しです。

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