ガザ戦争に抗議しビザ取り消された留学生、自主的にアメリカ出国 「胸を張って」去ると

パレスチナ・ガザ地区で戦闘を続けるイスラエルに対する抗議行動に参加し、ビザを取り消された米コーネル大学の大学院生がこのほど、自らの意志でアメリカを離れた。トランプ政権による強制送還ではなく、自主的な出国を選んだ。 イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が激化していた昨年、アメリカ各地の大学キャンパスでは、学生らが敷地を占拠し、ガザでの戦争に抗議する動きが相次いだ。 イギリスとガンビアの国籍を持つモモドゥ・タール氏も、こうした抗議に加わり、学生ビザを取り消された。 タール氏は、強制送還されるのを阻止しようと提訴したが、裁判所は訴えを退けた。同氏は先月31日、「自由に、胸を張って」アメリカを離れることを選んだとソーシャルメディアに投稿した。 ドナルド・トランプ大統領は先月4日、「違法な」抗議活動を許可している米大学への資金援助を停止し、抗議に参加した留学生を起訴して強制送還すると発表した。 米国土安全保障省(DHS)による強制送還の対象となり、アメリカを離れることを選択した留学生は、タール氏を含めて少なくとも2人いる。トランプ政権はこうしたケースを「自己国外退去」としている。 「私たちがアメリカ全土で直面していることを考えると、裁判所から有利な判決が出れば、私の身の安全や、自分の信念を表明する能力が保証されるだろうという確信が持てなくなった」と、タール氏はソーシャルメディアに書いた。 「街中を歩いていても連れ去られることはないという確信が持てなくなった。これらの選択肢をてんびんにかけた結果、私は自分の意志で去ることを決めた」 DHS関係者はその後、タール氏がアメリカを出国したことを認めたと、BBCがアメリカで提携するCBSニュースは報じた。 タール氏は抗議行動をめぐり、コーネル大学で2度停学処分を受けた。2023年にハマスがイスラエルを奇襲した日には、「レジスタンスに栄光あれ」と投稿していた。 コーネル大学の新聞「コーネル・デイリー・サン」によると、タール氏はその後、「私たちは川から海まで、パレスチナの武力での抵抗に連帯している」と抗議者たちに語ったという。「川から海まで」とは、ヨルダン川から地中海までの地域を指しており、イスラエルも含まれている。 アメリカのマルコ・ルビオ国務長官は先月27日、これまでに少なくとも300人の留学生の査証(ビザ)を取り消したと明らかにした。 米政府関係者は、アメリカの「外交政策と国家安全保障上の利益に敵対する」非米国民を国務省が強制送還することが、移民国籍法で認められていると述べた。 トランプ氏は、米政権が反ユダヤ主義とみなすものと闘うとの公約を掲げており、留学生の逮捕はその一環として行われている。 今年1月、トランプ氏は抗議活動に参加した留学生の排除を命じる大統領令に署名した。 強制送還をめぐっては、言論の自由を侵害する措置だとの批判が上がっている。 DHSの取り締まりの対象となり、先にアメリカを出国したインド国籍のランジャニ・スリニヴァサン氏は、米CNNに対し、潔白を証明したいと語った。スリニヴァサン氏はフルブライト奨学金を受けていた。 「私はテロリスト支持者ではない」、「私は文字通り、ただの学生だ」と、スリニヴァサン氏は述べた。 同氏は、昨年の学生らによる抗議活動の中心地となったコロンビア大学に再入学し、博士課程を修了したいと付け加えた。 (英語記事 University student targeted by Trump leaves the US)

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