韓国、4日に大統領の罷免是非決定 警察厳戒体制 学校も休校

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による「非常戒厳」宣布を巡り、憲法裁判所は4日午前11時、弾劾訴追された尹氏に対する罷免の是非について決定を言い渡す。ソウル市内では連日、弾劾賛成派と反対派がデモを展開。罷免か職務復帰か、いずれの結果でも混乱が生じる可能性があり、警察は厳戒態勢を敷いている。 憲法裁の判事8人(欠員1)のうち6人以上が罷免を妥当だと判断すれば尹氏は失職し、60日以内に大統領選となる。3人以上が弾劾訴追を棄却・却下と判断した場合、尹氏は大統領職に復帰する。 憲法裁は、昨年12月3日の「非常戒厳」宣布、国会や地方議会の政治活動を禁じた布告の発表、軍投入による国会封鎖などについて、憲法や法令違反の有無に加え「罷免に値するほどの重大性があるか」を検討し、罷免の可否を決定する。 罷免となった場合は、尹氏の支持者のデモが激化する可能性があり、尹氏が混乱を避けるために結果を受け入れるメッセージを発信するかが注目される。2017年3月に朴槿恵(パク・クネ)大統領(当時)の罷免が言い渡された際には、朴氏支持者らが警察と衝突するなどして死者が出る事態となった。 大統領職に復帰する場合は、国会多数派の野党やその支持者の反発は必至で、困難な政権運営を迫られる。世論調査会社「韓国ギャラップ」の3月25~27日の調査では、尹氏の弾劾に賛成が60%、反対が34%だった。 弾劾賛成派、反対派は3日夜から憲法裁の周辺などで徹夜で座り込みを行う予定。4日は両集会合わせて数十万人規模になるとの観測が出ている。 警察は4日午前0時、混乱に備えて可能な限りの人員を総動員する最高レベルの警戒態勢を発令する。聯合ニュースなどによると、全国に機動隊338部隊、約2万人を配置する。ソウルにはこのうち、1万4000人を配置する。警察官らはトウガラシに含まれる成分「カプサイシン」の噴射機も携帯する予定だ。 決定日が公示された1日以降、憲法裁から半径約100メートルの区域は警察により完全に規制されている。4日は最寄り駅は閉鎖され、周辺の銀行やガソリンスタンドなどは営業しない。憲法裁と大統領公邸付近にある16の幼稚園と小中高校は休校する方針。ソウル市も雑踏事故防止のための態勢を整備した。 警察は憲法裁の判事の身辺警護も強化する。憲法裁庁舎に乱入した場合は、現行犯で逮捕する方針で、外部から飛ばした無人機(ドローン)を無力化する装備も設置する。 1月には尹氏の拘束継続を認める令状を発付したソウル西部地方裁判所を、尹氏支持者らが襲撃する事件が起きた。100人以上が裁判所敷地内になだれ込み、一部の支持者らは裁判所の窓ガラスや機器などを破壊。少なくとも85人が警察に拘束された。 韓悳洙(ハン・ドクス)大統領代行(首相)は2日に治安関係部署の閣僚会議を開催。「政治的有利、不利を離れ共同体の安定と生存を優先しなければならない」と述べ、政治家に対し「分裂と対立ではなく社会統合に寄与する責任ある姿勢を見せてほしい」と要請。「いかなる決定が下されても法治主義の原則により、結果を冷静に受け入れなければならない」と訴えた。【ソウル日下部元美】

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