累計100万部を突破した東野圭吾の小説『クスノキの番人』のアニメーション映画化が決定。東野と伊藤智彦監督のコメント、「クスノキ」が描かれた超ティザービジュアルが解禁された。東野の作品がアニメーション映画化されるのは本作が初となる。劇場公開は2026年を予定。 巧みなプロットや深い人間描写で知られ、ミステリーからヒューマンドラマまで幅広いジャンルで読者の心をつかんできた小説家・東野圭吾。これまで数多くの名作を世に送り出し、自身の書作の累計発行部数は1億冊超を記録。映像化された作品はいずれも高い評価を受けている。 そしてこの度、2020年に発行され、先日発行部数が累計100万部を突破した小説『クスノキの番人』(実業之日本社文庫刊)のアニメーション映画化が決定。東野圭吾原作作品<初のアニメーション映画>として、2026年に劇場公開される予定となっている。描かれるのは、「その木に祈れば願いが叶う」と伝えられる、ミステリアスな<クスノキ>とその<番人>となった青年の物語だ。 理不尽な解雇により職を失った青年・直井玲斗は、追い詰められた末の過ちで逮捕される。運に身を委ね、将来を思い描くことも、人生の選択を自ら決める意志もなかった。そんな彼に運命を変える出会いが訪れる。 「依頼人の指示に従うなら、釈放する」。突如現れそう告げる弁護士の条件を呑んだ玲斗の前に現れたのは柳澤千舟。大企業・柳澤グループの発展に大きく貢献してきた人物であり、亡き母の腹違いの姉だという。千舟が「あなたに、命じたいことがあります」と語るそれは、月郷神社にたたずむ<クスノキの番人>になることだった。 戸惑いながらも番人となった玲斗は、さまざまな事情で境内を訪れる人々と出会う。クスノキに定期的に足を運び続ける男・佐治寿明。その娘で父の行動を不審に思う女子大生・佐治優美。家業の継承に葛藤する青年・大場壮貴。彼らや千舟と関わるうちに、玲斗の世界は、少しずつ色を帯びていく。だが、玲斗はまだ知らなかった。クスノキが持つ<本当の力>を。やがてその謎は、玲斗の人生をも巻き込みながら、彼を思いもよらぬ真実へと導いていく。 監督として映像化の舵を取るのは、『ソードアート・オンライン』シリーズや、『僕だけがいない街』、オリジナル劇場アニメーションとして話題を呼んだ『HELLO WORLD』などで幅広い層から支持を集める伊藤智彦。 アニメーション制作は、テレビシリーズ『俺だけレベルアップな件』、『マッシュル‐MASHLE‐』や『リコリス・リコイル』、映画『かがみの孤城』など、洗練された技術力とクリエイティブな作品づくりが国内外で高い評価を得ているA‐1 Picturesが務め、卓越した映像美で物語を描き出す。 原作者の東野は「小説を書く手法は作家によってそれぞれだと思いますが、私の場合、まずは頭の中で映像を思い描き、それを文章化していきます。だから作品の舞台となる土地には必ず参考にした場所があり、登場人物たちにもモデルがいることが多いです。『クスノキの番人』も、そのようにして書き上げた作品ですが、いつも以上に空想力を必要としました。超自然的な現象が頻繁に出てくるからで、実写化するのは難しいだろう、と執筆しながら考えていました。アニメーションになれば素晴らしいのでは、との思いが出てきたのはそういう流れからです」と明かす。 続けて「このたび、その夢が実現することになり、心よりありがたく感じております。私の空想力をはるかに超えた映像作品となっているに違いなく、今から楽しみにしています」と期待を寄せた。 伊藤監督は「この映画を通して『今の自分を形作っているものに感謝を告げる』。これが今回の自分の目標です。それは両親に、ということだけでなく普段関わっている人や昔お世話になった人、一瞬だけ現れてはいなくなった人もまるっと全てに。そしてこの気持ちを次の世代にバトンを送りたい、そう考えています」と語っている。 アニメーション映画『クスノキの番人』は2026年劇場公開。 ※伊藤智彦監督のコメント全文は以下の通り。