1963年に埼玉県狭山市で女子高校生(当時16)が殺害された「狭山事件」で、強盗殺人罪などで無期懲役が確定し、3月に86歳で亡くなった石川一雄さんの妻(78)が、石川さんの裁判のやり直しを求め、東京高裁に第4次となる再審請求を申し立てた。請求は4日付。 妻の早智子さんは8日に東京都内で開いた会見で「亡くなった今も(夫に)かかっている見えない手錠を外したい」と訴えた。 石川さんは逮捕後の取り調べに関与を認め、64年に一審で死刑判決を受けた。二審で無罪主張に転じたが無期懲役となり、77年に最高裁で確定。94年に仮釈放された。 判決確定直後に再審請求を始め、2006年には第3次の再審請求をしたが、高裁が約19年間も結論を出さず、石川さんの死亡で手続きは終わった。本人が死亡した場合は配偶者でも再審請求できるため、早智子さんが新たな請求を起こした。