広末涼子容疑者の逮捕 薬物検査の意味など分析 推察した2つの目的 弁護士の見解

静岡県島田市の市立総合医療センターで看護師を蹴るなどしてけがを負わせたとして、静岡県警掛川署は8日、傷害の疑いで、女優の広末涼子容疑者(44)を現行犯逮捕した。広末容疑者は交通事故を起こして病院に搬送され、治療待ち中に暴行したという。同署は薬物検査を実施するとしている。所属事務所は公式サイトで「病院で一時的にパニック状態に陥った。当面の間全ての芸能活動を自粛する」と発表した。 ◇ ◇ 広末容疑者の逮捕について、弁護士法人「ユア・エース」の正木絢生代表弁護士が8日、デイリースポーツの取材に対応。薬物検査の意味などを分析した。 広末容疑者への薬物検査の実施の意味について、正木弁護士は「必ずしも、薬物使用の確度が極めて高い場合に限られるわけではありません」とし、「言動や様子に異常が見られた場合など、一定の合理的な疑いがあれば、確認的・予防的な意味合いでも実施されることがあるため、検査実施の“ハードル”はそれほど高くないと考えられます」とした。 その上で、今回の薬物検査には主に「1つは、交通事故の発生原因が薬物摂取によるものであったかを明らかにするため、もう1つは、傷害罪に関して、行為時に刑事責任能力があったかどうかを判断するためです」と2つの目的を推察した。 前者については、酒気帯び運転の可能性は低いものの「“奇行”があったことから酩酊または興奮状態にあった可能性は否定できず、薬物の影響が疑われることになります。検査の結果で違法物質が検出された場合は、道路交通法違反などの法的責任が問われることになります」と説明。後者については「薬物摂取によって心神喪失の状態にあったと判断されれば、不起訴処分や無罪となる可能性があり、その場合は医療観察法に基づく処遇が行われることになります。心神耗弱であった場合には、有罪となっても刑が減軽され、同様に医療観察法に基づく措置が取られることも考えられます」と解説した。 傷害罪の法定刑は1月以上15年以下の懲役、または1万円以上50万円以下の罰金と、幅の広い刑罰が規定されている。正木弁護士は「広末容疑者の動機は現時点では不明ですが、報道されている内容によれば、凶器の使用はなく、被害者を足で蹴り、腕をひっかいて軽傷を負わせたとされています。このことから、行為の危険性や被害の重大性は比較的低いと評価される可能性があります」と分析。「仮に広末容疑者が初犯であり、反省の態度を示し、被害者との示談が成立した場合には、罰金刑(15万円~30万円程度)で済む可能性もあり、場合によっては不起訴処分となることも十分考えられます」と語った。

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