静岡県内で看護師を蹴るなどしてけがを負わせたとして、同県警掛川署は8日、女優、広末涼子容疑者（44）を傷害の疑いで現行犯逮捕した。同容疑者は自動車を運転中に事故を起こして病院に搬送。治療を待つ間に歩き回り、静止した看護師に大声を出して暴行したという。所属事務所は逮捕を受け「病院で一時的にパニック状態に陥った。当面の間全ての芸能活動を自粛する」とのコメントを発表した。 昨年、不倫騒動の謹慎から復帰した広末容疑者が交通事故から傷害事件という衝撃の逮捕劇となった。捜査関係者によると、取り調べを始めたときは大声を出し、歩き回ろうとするなど取り乱した様子だったという。 容疑は8日午前0時20分頃、静岡県島田市立総合医療センターで女性看護師（37）の左足を右足で数回蹴り、右腕を引っかいたりして軽傷を負わせた疑い。 治療や検査前に病院内を歩き回る容疑者を看護師が静止しようとした際、大声を出す容疑者から暴行を受けたという。看護師は軽傷で、駆け付けた掛川署員がひっかき傷を確認。同署は「暴れることなく現行犯逮捕に応じた」と説明し、「公判になった際に支障がでる」などとして、認否は明らかにしていない。 容疑者は7日午後6時50分頃、奈良県から戻る途中の新東名高速道路上りで乗用車を運転中、大型トレーラーに追突する事故を起こした。奈良では映画の撮影をしていたとみられる。 通行車両からの110番通報で県警高速隊が現場に到着。交通規制を急ぐ一方、軽装の容疑者が路上に座ったり、歩き回るなどしたため、掛川署にその対応として応援を要請した。同署員の到着前に容疑者は同乗者でマネジャーとみられる男性と事件現場の病院に搬送され、病院に駆け付けた署員は事故の事情聴取で訪れていた。容疑者は顔以外にかすり傷を負う軽傷、大型トレーラーの運転手にけがはない。 捜査関係者によると、容疑者の呼気からアルコールは検出されなかった。薬物検査については「任意捜査をしながら、裁判所から捜査令状をとるなどしてやるべきことを粛々と調べていく。歩き回るなどの行動もあり、捜査を尽くさないと真実は見えてこない」と近日中にも実施する可能性を示唆した。 令状の発付後には掛川署と高速隊が合同で容疑者が運転していた自動車の車内捜査にも着手。現状、事故後の車内は封印されており、親族や関係者の立ち合いで調べるという。捜査関係者は「発付前に車内を調べて万が一、薬物が出てきても違法収集証拠となる」と説明。手続きを踏みながら慎重に真相を解明する。