広末容疑者 危険運転致傷容疑で家宅捜索 傷害容疑で逮捕、送検も異例“切り替え”

交通事故を起こして搬送された病院で看護師に暴行したなどとして傷害の疑いで女優の広末涼子容疑者(44)が逮捕、送検された事件で、静岡県警は10日、自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで東京都世田谷区にある広末容疑者の自宅を家宅捜索した。 午前9時50分ごろ、スーツ姿の捜査員約10人が、インターホンを押し、自宅に入った。捜索は約2時間で終了。捜査員らはプラスチック製の箱を手に出てきた。捜査関係者によると「家宅捜索で違法な薬物などは見つからなかった」という。 容疑を切り替えての家宅捜索。嵩原安三郎弁護士によると「一般的に逮捕時の容疑と別の名目で家宅捜索をすることはある」というが「傷害罪で逮捕された後、危険運転致傷を調べるため家宅捜索が入るケースはあまり聞いたことがなく異例」と指摘した。 家宅捜索の目的を「どのような薬を使用していたのか。またその薬の使用方法が適切だったのかを調べるためだったのでは」と解説。県警は、広末容疑者の起こした事故の原因が、市販薬や処方薬品の大量摂取だった場合、危険運転致傷に問われる可能性があるとみて捜査している。服用する薬の種類や量などを調べている。 広末容疑者は7日午後6時50分ごろ、主演映画の撮影で訪れた奈良県から都内の自宅に戻る途中、新東名高速道路で乗用車を運転中に大型トレーラーに追突する事故を起こし、マネジャーを名乗る同乗男性が骨折した。その後、運ばれた病院で看護師に軽傷を負わせたとして傷害罪で逮捕。9日に送検された。 捜査関係者によると、広末容疑者は事故翌日の8日夜に薬物検査を受けたが、簡易検査で大麻や覚醒剤などの反応は陰性。本鑑定の結果待ちだが、陽性となる可能性は低いとみられている。広末容疑者は過去にSNSで「薬を飲んで運転したら気分が悪くなった」などと書き込んでいたこともあった。 静岡地検浜松支部は10日、看護師への傷害容疑で広末容疑者の勾留を請求し、静岡地裁浜松支部が認めた。地検支部は取り調べや捜索結果などを踏まえて請求したとみられる。勾留期限は19日。 ≪一般論としては実刑にならない≫ 【弁護士の見解】今回の危険運転致傷罪の量刑について、嵩原弁護士は「同乗者のケガの具合によって変わってくる」と説明した。「負傷させた場合は15年以下の懲役刑の可能性はある。ただ今回のケースを見ると、一般論として実刑にはならないのでは」と見解を示した。 同罪は危険な状態で自動車を運転した結果、人を死傷させた場合に科される刑罰。「違法薬物ではなくても、服用した薬物の効果で運転が困難になった場合に適用される」と指摘。「仮に本人に副作用などの知識や効果の自覚がなかったとしても、罪に問われる可能性はある」と話した。

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