元阪急ほかの米田哲也が窃盗容疑で逮捕された。盗んだのは缶チューハイ2本だったという。日本プロ野球史上歴代2位の通算350勝。2000年には殿堂入りも果たしている。それだけの選手が万引きせざるを得なかったとしたら、本当にお金がなかったのだ。 プロ野球選手は個人事業主である。現役を引退すれば、指導者やフロントとして球団に残る場合は別として、多くは収入が断たれる。 かつてはNPBに10年以上在籍した選手を対象に年金制度があったが、それも廃止された。引退した選手に支給されるのは支配下10年以上の選手が満55歳と満60歳を迎えたときの各50万円だという。 本当なら一定の成績を残した名選手に対してコミッショナー、フロントは引退後の補償をすべきなのだ。 その資金源として、たとえば現状2試合のオールスターゲームを昔のように3試合制に戻して、そのうち1試合の収益を回せばいい。 今日の日本プロ野球は、90年を超える歴史の上に成り立っている。野球文化の襷をつないできた先人たちの汗と努力に報いるための球宴をプラスアルファで開催すると言えば、現役選手たちも納得して一生懸命にプレーするはずだ。 にもかかわらずコミッショナーは動こうとしない。球団も自分たちの利益ばかりを追求。金儲けだけできればいいのか。今回の事件を他人事としていけない。球界全体の問題として真剣に考えるべきである。