「タタキ(=強盗)の電話をかける仕事をする」などと同居人の男性ら2人にカンボジアに渡航し強盗事件のアポ電に加担するよう勧誘したとして、22歳の男が逮捕されたことが捜査関係者への取材でわかりました。職業安定法違反の疑いで逮捕されたのは、埼玉県春日部市に住む石川哲也容疑者(22)です。 捜査関係者によりますと石川容疑者は先月、仲間と共謀し春日部市の自宅などで同居する当時18歳の少年と当時25歳の男性に対し「タタキ(=強盗)の電話をかける仕事をする」などと伝え、カンボジアに渡航して強盗事件のアポ電に加担するよう勧誘し、公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で職業紹介をした疑いがもたれています。 石川容疑者は、強盗事件のアポ電などを行う匿名・流動型犯罪グループの「リクルーター」で当初、男性らに仕事内容について「海外でクリーニングの仕事」「ホテルの清掃」などと伝えていましたが、最終的には内容を変えたとみられています。 石川容疑者はその際、男性らに対して「銀行員のふりをして、おじいちゃんやおばあちゃんの家に電話してタンス預金のありかを聞いて次の日にそれを奪いにいく」「給料はカンボジアで渡すのではなく、日本に帰った後で受け取る」などと具体的な仕事内容を伝えていました。 また、石川容疑者は、男性らに対しカンボジアに出国するためのパスポートを作成させていたほか、警察の任意の聴取や家族などには「ハウスクリーニングや清掃の仕事」と答えるよう男性らに指示を出していたということです。 この事件は、ことし4月警察に対し「友人が闇バイトに加担すると言っていた」と匿名で通報があり発覚したもので、警察はカンボジアに強盗事件のアポ電などを行う、かけ子の拠点があるとみて組織の全容解明を行う方針です。