哲学から映画、マンガといった大衆文化まで縦横無尽に論じた「知の巨人」が記した「日本人論」に登場する五人は、社会の周縁で時代に抗った人々でした。 その一人、ジョン万次郎は日本の開国に先立ってアメリカに漂流して渡り、太平洋を股にかけて活躍した船乗り。江戸時代にすでにグローバルに活躍していた彼の姿を通じ、日本人とは何かを見つめ直します。 「それなら、一つ、あなたに聞いてほしいことがあります。」 勝海舟を感心させた彼の一言とは? ※本記事は鶴見俊輔『ひとが生まれる 五人の日本人の肖像』(角川新書)から抜粋・編集したものです。