大麻摘発、見えてきた年代傾向 摘発人数が過去最多、高校生の逮捕も 2024年福井県警

福井県警が2024年に大麻取締法違反などで摘発した人数は38人となり、過去最多となったことが県警のまとめで分かった。うち6割を超える25人が20代以下で、高校生を逮捕したケースもあった。県警は交流サイト(SNS)を通じて簡単に大麻を手に入れられる環境にあることや、「大麻は身体への悪影響がない」といった誤った情報が広がっていることが要因と指摘する。 県警組織犯罪対策課によると、同法違反などの摘発者は20年22人、21年29人、22年27人、23年28人と横ばいで推移してきた。一方で、10年前の14年8人からは3倍前後になり、24年は5倍近くまで増加した。24年の摘発者を年齢別で見ると、20代未満6人、20代19人、30代6人、40代5人、50代以上2人。年代が上がるごとに人数は減少傾向にあり、若年層を中心に大麻が広がっている現状が垣間見える。 大麻は他の違法薬物に手を出すきっかけとなる「ゲートウエー(入り口)ドラッグ」と呼ばれる中、38人のうち7割を超える28人が、違法薬物で摘発されたことのない初犯者だった。摘発の多くは所持や譲り受けで、X(旧ツイッター)など利用者の多いSNSを入り口に、秘匿性の高いアプリに移って取引するケースが目立つという。 一方、県警は覚醒剤取締法違反などの摘発状況もまとめた。24年の摘発者は42人で、前年と比べて8人減少した。年齢別内訳は40代15人、50代以上13人、30代11人、20代3人で、20歳未満はいなかった。大麻とは異なり、再犯者の摘発が多い。 同課の山﨑孝幸次席は「薬物乱用者の取り締まりはもとより、密売組織の摘発や税関などと連携した水際対策を図る」と強調。若年層での乱用を防ぐ対策としては「教育委員会と連携して薬物の危険性を伝える講習会を開き、県警のSNSを使った広報活動に取り組む」とした。

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