本郷和人『べらぼう』凍えながら獄中死した平賀源内。入れられたら死を覚悟して当然?江戸時代の厳しすぎる<牢屋事情>

日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き、時にお上に目を付けられても面白さを追求し続けた人物“蔦重”こと蔦屋重三郎の生涯を描く大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK総合、日曜午後8時ほか)。ドラマが展開していく中、江戸時代の暮らしや社会について、あらためて関心が集まっています。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生がドラマをもとに深く解説するのが本連載。今回は「牢屋」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし! * * * * * * * ◆獄中で非業の死を遂げた源内 4月27日の「ありがた山スペシャル」を挟み、次回から新章が始まる『べらぼう』。 これから蔦重が本格的に版元(出版社)として始動する、ということで大変に楽しみです。 しかしその反面、4月6日の回では小芝風花さん演じる花魁・瀬川が、4月20日の放送回では安田顕さん演じる才人・平賀源内がそれぞれ退場になるなど、序盤の蔦重を支えてきた二人が相次いで消えたことに一抹の寂しさも覚えております。 特に人殺しの罪を着せられた源内が逮捕され、寒さに震えながら、そのまま獄中で非業の死を遂げたのはかなりショックな展開でした。 そこで今回は当時の”牢屋事情”について考えてみたいと思います。

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