プロ注目の大商大・蜷川大捕手(4年=広陵)が、ここまでの7試合でリーグ最少14失点の投手陣を好リードしている。強みは「肩と追い込まれたときの勝負強さ」。特に評価が高い強肩は、二塁までの送球タイムが最速1秒75。遠投は120メートルを誇る。 1年春からベンチ入りし、2年秋に関西六大学リーグの最優秀選手賞に輝いた。昨年末は大学日本代表候補の強化合宿に参加。世代トップレベルの選手と交流し、「打撃も守備も意識の高さが全然、違った」と圧倒された。この冬はスローイングの安定感を求め、打撃面では勝負強さや一球で捉える力をさらに追求。これまでは下位打線を打つことがほとんどだったが、今春は主に2番を担っている。阪神・岡本スカウトは「守備の能力が高くて、肩も強い。バッティングも勝負強い」と、関心の高さを示した。 4月22日に冨山陽一監督(60)が道路運送車両法違反容疑で逮捕されたことが発覚し、直後の龍谷大戦で勝ち点を落として自力優勝が消滅した。「チームとしてうまくいっていない。今は個人のことより、そっちが大事」。副主将として責任感をより強く持ち、龍谷大との3回戦に初めて座った4番で3打数2安打と奮闘した。逆風が吹く状況でこそ、蜷川が存在感を放つ。(瀬川 楓花) ◆蜷川 大(にながわ・だい)2003年11月4日、千葉・市原市生まれ。21歳。牧園小3年から軟式の「ちはら台ファイターズ」で野球を始める。ちはら台西中では佐倉リトルシニアでプレー。広陵では1年秋に背番号12でベンチ入り。2年秋から背番号2。甲子園出場なし。172センチ、80キロ。右投右打。