東島京、平野綾、岡田浩暉、土居裕子らが世界初演ミュージカルの楽曲を初披露――ミュージカル『チョコレート・アンダーグラウンド』 In日比谷フェスティバル

国民が政治に無関心だったとある架空の国。健康推進を掲げる「健全健康党」が政権をとり発令したのが「チョコレート禁止法」。すべての甘いものが禁止され、生活から「自由」や「楽しみ」が奪われたら……。 日本での多くのファンを持つアレックス・シアラーの小説『チョコレート・アンダーグラウンド』を原作に、脚本・作詞/高橋亜子、音楽・オレノグラフィティ、演出・石丸さち子というトップクリエイターがタッグを組み挑んだ、世界初のオリジナルミュージカルが6月5日(木) 、よみうり大手町ホールで開演する。 その世界初演を前に、『チョコレート・アンダーグラウンド』のカンパニーが日比谷フェスティバルに登場して劇中楽曲を初披露するイベントが行われた。 この日は東島京、平野綾、岡田浩暉、土居裕子、浦嶋りんこ、まりゑ、小松季輝、佐藤匠、中川賢、陰山泰と演出の石丸さち子が参加。 まず歌われたのは、テーマ曲「チョコレート・パラダイス」。主人公のひとり・ハントリー役の東島と、バビおばさん役・土居裕子の笑顔がぴったりハマる、ポップでキャッチーな楽曲だ。 続いては、石丸によるシーン紹介を受けながら、健全健康党による規制が始まり、人々が困惑する様子を描く「どんでもないことが始まった!」、チョコレートの密造を試みるハントリーたちが迷い込んだ先で歌われる「ガラクタ市場へようこそ(露天商バージョン)」が披露された。“様々な役を演じる”と紹介されている浦嶋りんこ、まりゑ、小松季輝、佐藤匠、中川賢、陰山泰が高い歌唱力と多彩なキャラクターを見せ、作品へのワクワクを高めてくれる。 さらに、チョコレートのCMガールだった女優・モファット(平野)が歌う「愚かで美しいこの世界」、バビおばさんのチャーミングさとポジティブな姿勢が眩しい「あなたもきっと魔法使い」、革命を決意した古本屋の店主・ブレイズ(岡田)の「切り抜けられるとしたら」、健全健康党に逮捕されたスマッジャーとバビおばさんの無事を願ってハントリーが歌う「二人を守って」といったソロが続く。ラストは再び「チョコレート・プラネット」を披露。全員でハッピーな空気を作り上げ、パフォーマンスを締め括った。 その後の囲み取材には、東島京、平野綾、岡田浩暉、土居裕子、石丸さち子が登壇。 オリジナルミュージカルについて、石丸は「この作品、ずっとやりたかったんです。私は大人になってから(原作を)読みましたが、誰でも楽しめる作品です。読み方によってはすごく深みがある物語をなんとかミュージカルにしたいと思い、高橋亜子さんとオレノグラフィティさんに最強タッグを組んでもらいました。いいキャストも集まったので、いい作品を届けたいと気合が入っています」と意気込む。 観客の前で初めて楽曲を披露した感想を聞かれると、岡田が「力が入っちゃった(笑)。僕が演じるブレイズは過去を反省している人だと思うので、もう少し冷静に、青年たちと一緒に革命していく感じでやれたら」と振り返る。 東島も「本稽古はまだ始まっていないのに、役に入りすぎて泣いてしまいました(笑)。ここから稽古を重ね、関係性ができていくことで、鮮やかな曲がより鮮やかになっていくと思うので楽しみです」と大きな笑顔。 平野は「それぞれの役と演じているキャストのリンクがすごくて、どんな作品かお伝えできたと思います」と自信をのぞかせ、土居は「石丸さんが稽古初日に単なる子供向けファンタジーにはしたくないとおっしゃっていました。チョコレートがなくなるかもしれないというお話ではあるけど、その先にある大人を皆さんに掴み取っていただきたいと思います」と呼びかけた。 世界初演となる本作の演出について、石丸は「てんやわんやでみんなで走ります。みんなで転換もします。でも繊細な部分はものすごくリアルな芝居でお見せします。胸が締め付けられたり、甘酸っぱい気持ちになったり、ワクワクしたり、応援したくなったり。いろいろな気持ちのジェットコースターを味わい、最後には温かい気持ちになっていただけると思います」と明かす。 土居の「昨日、初めて本読みをして、作品の世界が垣間見えました。プレ稽古の段階でそうだったので、どんどん面白くなる予感が確信に変わりました」という言葉に、平野も「みんなすごいエネルギーで本読みをしていました。石丸さんがこのエネルギーだから私たちもつられました」と笑顔で答えていた。 また、ソロ曲を披露した東島は「石丸さんのご指導を受けて、本番ではしっかり出来上がったものを皆さんにお届けしたい」と語り、「世界初演を担う不安とプレッシャーもありますが、このカンパニーの皆さんとなら絶対に大丈夫だという自信があります。単純なハッピーミュージカルではないので、見る方の年齢や過ごしてきた人生によって受け取り方もメッセージ性も変わるし、生半可な気持ちで見たら後の人生に大きな影響があると思います。そんな作品になるように頑張るので、ぜひ劇場に足をお運びいただけると嬉しいです」と呼びかけた。 ミュージカル『チョコレート・アンダーグラウンド』は2025年6月5日(木)~6月15日(日) までよみうり大手町ホールで上演。6月21日(土) には大阪・森ノ宮ピロティホール、6月28日(土)・29日(日) には富山県民会館ホールでも公演が行われる。 取材・文/吉田沙奈 <公演情報> ミュージカル『チョコレート・アンダーグラウンド』 【東京公演】 日程:2025年6月5日(木)~15日(日) 会場:よみうり大手町ホール 【大阪公演】 日程:2025年6月21日(土) 会場:森ノ宮ピロティホール 【富山公演】 日程:2025年6月28日(土)・29日(日) 会場:富山県民会館ホール [原作] アレックス・シアラー [翻訳] 金原瑞人(求龍堂刊) [脚本・作詞] 高橋亜子 [音楽] オレノグラフィティ [演出] 石丸さち子 [振付] 前田清実 [出演] 北川拓実 東島京 木村来士 平野綾 岡田浩暉 土居裕子/ 浦嶋りんこ まりゑ 小松季輝 佐藤匠 中川賢 陰山泰

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