(CNN) ブラジルのリオデジャネイロで開かれたレディー・ガガのコンサートに関連して、現地の警察は4日、LGBTQ+(性的少数者)の観客に対する同時襲撃を計画した疑いで2人を逮捕したと発表した。 リオデジャネイロ警察によると、2人は3日にコパカバーナビーチで開かれたコンサートに対して手製の爆弾や火炎瓶を使った襲撃を計画し、未成年を含む実行役を募っていた。襲撃の目的は「SNSで悪名を高めること」だったとされる。 これとは別に、警察はブラジル国内で9カ所を捜索し、コンサート中に「子どもか乳児を殺す悪魔崇拝の儀式」を計画したとされる男をテロ容疑で検挙した。 コパカバーナビーチで開かれたガガの無料コンサートには約210万人が集まった。ガガのブラジル公演は2012年以来。容疑者は主にLGBTQ+の観客を狙ったと警察は見ている。 ガガはかつて米ニューヨークで開かれたプライド集会で、LGBTQ+のために「銃弾を受け止める」と発言するなど一貫してLGBTQ+の人々を支持。先月には「憎しみでいっぱいの無知な人々は、クィア(性的少数派)を見上げて愛と品位、思いやりを学ぶべき」と語っていた。 警察によると、容疑者は若者を扇動しようとするネットのヘイト集団の一員で、「ヘイトクライム(憎悪犯罪)、自傷行為、子どもに対する性的虐待、暴力コンテンツ」を拡散させていたとされる。 ブラジル司法省によると、容疑者は「リトルモンスター」と呼ばれるガガのファンを装って同時襲撃の実行犯をネットで勧誘しようとしていたといい、警察はこの計画を突き止めて「フェイクモンスター作戦」を実行。襲撃を未然に阻止した。 同グループのリーダーは銃の不法所持容疑で逮捕され、計画に関与したとされる10代の1人は児童ポルノ所持の容疑で逮捕された。 警察によると、ブラジル国内9カ所で行った捜索では15件の捜索・押収令状が執行された。このうち1カ所は、コンサート中に子どもまたは乳児の殺害を計画したとされる男に関連した捜索だった。男はガガが悪魔崇拝者だと主張し、「同じ形で反応したかった」と供述しているという。男はテロなどの容疑がかけられている。 リオデジャネイロ警察によると、2件の捜索令状執行については、襲撃の計画についてブラジル当局に知らせた米領事館も協力した。 レディー・ガガの広報は4日、「公演前も公演中も安全上の懸念については把握していなかった。潜在的なリスクについて警察や当局からレディー・ガガには伝えられていなかった。コンサートの計画から実行に至るまで捜査当局とは緊密に連携しており、安全対策については全関係者が自信を持っていた」とCNNに語った。 警察は、パニックを引き起こしたり情報がゆがめられたりしないよう、慎重に行動したと説明している。 レディー・ガガは公演の翌日、「ブラジルの人たちのために歌うことにこの上ない誇りと喜びを感じた」とインスタグラムに書き込み、ファンに感謝の気持ちを伝えた。