主要キャラの死、暴走AI、2つで1組の鍵…最新作に向けて『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』をおさらい!

シリーズ8作目にして集大成と噂される『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』。いよいよ5月23日(金)からの公開を控える本作は、もともと『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART TWO』というタイトルだったことからもわかるとおり、2023年に公開された前作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』から地続きの作品となっている。 作品を重ねるたびエクストリームになる主演トム・クルーズのアクションと比例するように、ストーリーも複雑化しているこのシリーズ。前作『デッドレコニング』も初見時の感想は「なかなか難しかった…」というのが正直なところ。公開から2年が経ち、話を覚えていない人も多いはず、ということで、ここではそんな人たちに向けて「なにが脅威で、なんの争奪戦を、誰が繰り広げていたのか」、ポイントを絞って振り返っていきたい。 ■まずは物語をざっくりとおさらい! 高度なAIを搭載したロシアの潜水艦セヴァストポリが、推測航法(デッドレコニング)を用いた新技術のテストを行なっていたが、AIの暴走により魚雷で自爆。全乗組員が死亡する事故が発生してしまう。 CIAの極秘諜報部隊IMFに所属するイーサン・ハント(クルーズ)は、“エンティティ”と呼ばれるAIの秘密を握る2つで1組の鍵の回収を命じられ、その片割れを持つ元MI6のイルサ(レベッカ・ファーガソン)と再会。おなじみの仲間たちと共にもう1本の鍵を持つバイヤーに接近するためアブダビの空港に向かうが、あろうことかスリ師の女性グレース(ヘイリー・アトウェル)に鍵を奪われてしまう。 グレースが武器商人のホワイト・ウィドウ(ヴァネッサ・カービー)に雇われていたことを知ったイーサン一行は、鍵の受け渡しの場に足を運ぶが、エンティティの手足となり鍵を奪おうとする旧敵ガブリエル(イーサイ・モラレス)が立ちはだかり…。 ■ラスボスは暴走AI、エンティティ 毎回様々な危機が描かれてきた「ミッション:インポッシブル」シリーズだが、本作で世界に危機をもたらすのが、自我を持つ高度なAI、エンティティだ。 潜水艦のソナーに存在しない敵艦の影を見せるなど真実を歪めてしまうエンティティは、サイバー空間を伝い、金融や防衛、インフラなどの情報網に侵入しては、あらゆる情報を盗み見て姿をくらます神出鬼没な存在。『デッドレコニング』では実害をもたらすことはなかったが、世界を揺るがすような強大な可能性を秘めているのは明白で、アメリカをはじめとする世界各国がねらう兵器だ。 実はこのAI、もともとはアメリカが開発しロシアの潜水艦に忍び込ませたが、予想外の暴走を遂げてしまったもの。制御方法は沈没したセヴァストポリのメモリに隠されているとのことで、『ファイナル・レコニング』では、この潜水艦の場所をめぐる物語が繰り広げられることだろう。 ■物語のキーとなる“鍵”の正体とは? そんなエンティティをコントロールするために必要とされる今作のマクガフィンが、すばり“鍵”だ。その正体はエンティティを支配できるソースコードで、エンティティの破壊を目的とするイーサン一行をはじめ、軍事利用を企む世界各国、自分にとっての脅威を取り除きたいエンティティとガブリエルなど、いくつもの勢力が鍵の争奪戦を繰り広げる。 2つを組み合わせることで十字型の鍵となる構造で、2つそろわないと意味がないという点もロマンにあふれるが、「もう片方は誰が持ってるの?」「なんでいまこの人が持ってるの?」と、このせいでややこしさがアップしているのも事実。ただ「ミッション:インポッシブル」シリーズは、その辺はわりとガバガバなので、あまり気にしなくて問題なし。 ちなみに『デッドレコニング』のラストではイーサンがガブリエルとの死闘の末に2本そろった鍵を手中に収めたが、『ファイナル・レコニング』ではさらなる奪い合いが行われるのか…? ■キャラクターの活躍や気になる点をプレイバック! グレースなどの新キャラクターも増え、誰がなんのために動いているのか?動機がわかりづらい点も『デッドレコニング』を難しくしている要因の一つ。 国を裏切ってエンティティを破壊したいイーサン一行、国の命令に背いたイーサンの逮捕を目論むCIA、エンティティと共謀するガブリエルら悪党、エンティティビジネスでひと儲けしたい武器商人のホワイト・ウィドウと彼女に使われたグレース、鍵の買い手として現れるCIA長官のキトリッジ(ヘンリー・ツェニー)…と、キャラクターが入り組み合っていた。 そのなかでも衝撃的だったのが、シリーズ第5作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(15)で初登場し、イーサンといい感じの仲になっていたイルサの退場劇。グレースを救うためイルサはガブリエルに殺され、その死に責任を感じたグレースが鍵奪還ミッションに協力するなど、前作の大きなターニングポイントとなった。 また悪役のガブリエルは、イーサンがIMFに入る前からの因縁が匂わされており、『ファイナル・レコニング』ではその過去が明かされるはず。さらに殺し屋の敵キャラとしてインパクトを放つも、口封じのためガブリエルに裏切られたパリス(ポム・クレメンティエフ)は、最新作ではイーサン側に回ったと思しき場面写真が公開されており、どのような立ち回りを見せるのか気になるところだ。 『デッドレコニング』から2か月後が描かれる『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』。これが最後となるかはわからないが、しっかりと作品を観直してから5月23日の公開に臨んでほしい! 文/サンクレイオ翼

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