男子バレー日本代表新監督に内定!東京五輪金メダル元仏代表監督ロラン・ティリ氏の正体

「優勝請負人」が降臨する。 男子バレーボール日本代表の新監督に、2021年の東京五輪でフランス代表を金メダルに導いたロラン・ティリ監督(60)が内定。協会は昨21日に開いた理事会で「候補者を専任した」とした。具体名は明かさなかったが、「今後、正式に本人、関係先と調整を行う」と説明した。ティリ氏は、20年からSVリーグ「大阪ブルテオン」(旧パナソニックパンサーズ)を率いている。 男子バレーのフランス代表は今夏のパリ五輪で2大会連続の金メダルに輝いたが、08年北京、12年ロンドン大会の出場を逃すなど低迷。立て直したのが、ロンドン五輪の出場権を逃した直後にフランス代表監督に就任したティリ監督だった。15年の欧州選手権で優勝すると、16年リオ五輪で9位、21年の東京五輪で頂点に立った。 バレーボール取材歴10年のスポーツライターはこう話す。 「フランス代表はもともとスタメン組と控え組の力の差が大きかったのですが、誰が出ても勝てるチームにしたのはティリ氏の功績。しっかりと若手を育てられる手腕の持ち主です。フランス代表にイアルバン・ヌガペトという問題児がいるのですが、彼はクラブDJもやっている選手で、ヨーロッパ予選の最中に人を殴って逮捕されたことがある。そのときもティリ氏はヌガペトと向き合って対話を続けた。当時、ティリ氏は『ガペ(ヌガペトの愛称)とはよく話し合ったよ。それでも手に負えないけどね』と冗談交じりに話していたのが印象的です。選手とコミュニケーションを取ってコントロールしながら、長所を伸ばしてチームの強みを活かすことができる。普段は温厚で朗らか。ユーモアと厳しさを合わせ持つ指揮官です」 東京五輪の準々決勝。強豪ポーランドとの一戦で、ティリ氏はフランス選手の弾いたブロックボールがベンチ前に飛んでくると、豪快なフライングレシーブを披露。右手に触れてボールは上がらなかったものの、すくっと立ち上がってニヤリと笑った。 「あれは恐らくわざとやったんじゃないかと思います。セットカウント2-2の競った展開で試合の流れをつかみ切れなかった場。少しでもチームの空気を変えようとしたのです」(前出のライター) 新型コロナによる延期で、東京五輪ではフランス代表と日本のVリーグの監督を兼任していた。 「バレー協会男子強化委員長の南部正司さんが日本代表監督時代(12~14年)にフランス代表と親交を深める中で仲良くなり、Vリーグへの招聘に成功した。母国開催だったパリ五輪でも代表監督の続投要請を受けていましたが、『家族との時間が取れないし、しんどい。もうパリでは代表監督はやらないよ』と話していました」(前出のライター) 男子バレー日本代表は世界ランク2位で臨んだパリ五輪でメダルを期待されながら、最終順位7位で終えた。リベンジを狙うロス五輪に向けて、「ティリ再生工場」が動き出す。 ◇ ◇ ◇ 実力ある新指揮官を迎えたとはいえ、日本男子バレーの将来は決して楽観視できるものではない。すでに「危険な兆候」が表れていて、金メダル級の人気はパリ五輪がピークという見方もある。いったいどういうことか。今、何が起きているのか。 ●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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