静岡県掛川市の病院で、診療を装って当時10代の女性患者4人にわいせつな行為をしたなどの罪に問われた小児科医の男の裁判で、静岡地裁浜松支部は、懲役7年6か月の実刑判決を言い渡しました。裁判官は「極めて卑劣で悪質な犯行」と断罪しました。 判決を受けたのは、中東遠総合医療センター小児科の診療部長の男(44)です。 判決によりますと、男は、2017年から5年半にわたって診察と称して、当時10代の女性患者4人に対し胸を触るなどしたり、この4人を含む10人の女性患者の裸を自らの携帯電話で撮影したりして、動画データなど115点を所持しました。 地裁浜松支部で開かれた5月9日の判決公判で、來司直美裁判官は「もっぱら自己の性的好奇心を満たすために行ったものと認められる。医師の立場を利用した極めて卑劣で悪質な犯行」と指摘しました。一方で、被害者の一部に対し、被害弁償をしていることなどから、検察の懲役14年の求刑に対し、懲役7年6か月の判決を言い渡しました。 判決を受けて、中東遠総合医療センターは「処分に関しては厳正に対応をする。被害者には本当に申し訳ないと思っています」とコメントしています。 中東遠総合医療センターの病院企業団を構成・運営する掛川市長と袋井市長は、次のようにコメントしています。 【掛川市 久保田崇市長コメント】 「先に強制わいせつ容疑で逮捕された中東遠総合医療センター小児科医師が令和7年5月9日の静岡地裁浜松支部の判決により有罪となりました。被害者をはじめ御家族の皆さまには苦しい思いをさせてしまったことに対し心からお詫び申し上げます。また、市民の皆さまにも御心配をおかけしたことを合わせてお詫び申し上げます。あらためて中東遠総合医療センターに対し再発防止策を講じるとともに、適切な管理のもと診療体制の確保を強く求めてまいります。」 【袋井市 大場規之市長コメント】 「先に強制わいせつ容疑で逮捕された中東遠総合医療センターの小児科医師が、令和7年5月9日の静岡地裁浜松支部の判決により有罪となりました。 本件は、袋井市と掛川市とともに病院企業団を構成し運営している病院の医師による事件ということで、被害にあわれた方をはじめ、御家族の皆様に悲痛な思いをさせてしまったこと、さらには、 市民の皆様や関係者にも御心配をおかけしたことについて、心よりお詫び申し上げます。あらためて中東遠総合医療センターに対し、今後の再発防止に向けた取組を徹底し、不断の改善を行うとともに、適切な管理のもとでの診療体制の確保を強く求めてまいります。」